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第一章 3話:過食

(……な、なんかとんでもないものを
見てしまったかもー!)

リュリュっち?
急に茂みなんかに隠れて、どうしたん……んばっ!?

シーッ!しーずーかにー!
あと、スパッと隠れて、ヨシノ!!

今、あんたに羽交い絞めにされて、隠れたとこやんか……
で、どしたんよ~?

あそこ……
一番ちっこい長い銀髪の女の子見える……?

あー、見えたけど~?

あの子、さっき……スゴイことしたんだよ!
あたし、見ちゃったもの……!

リュリュっち~……

何よ、ヨシノ……

(ジィーー……)

うっひゃあっ!

さっきこの子を見た時、いきなり視線が合ってさ~アハ

なにしちゃってるのさ~もう……

それはこっちのセリフでしてよ?

うっひゃあっ!!

 

◆ ◆ ◆

 

事と次第によっては……

い、いやぁ……あまり見た事ない雰囲気の、可愛い女の子
だなぁって見てただけですよぉ~、ヤダナー

そーそー、誤解やって~

アルジェ……かわいい?

ええ、とってもカワイイわよ♪

アルジェ……かわいい……おぼえた

そ、それじゃ、あたし達はこれにて~……

まぁ、そんなに慌ただしく行かなくても!

こ、これまでか……
かくなる上は強行突破しか……ヨシノ!

え、やるの~、リュリュっち……
もう、しょんなかね~

(シャキーーーーン)

なんか、武器を抜いた……

本性を現したわね!

仕方ない、迎え撃つ!

サー、イェッサー……

 

◆ ◆ ◆

 

や、やられたぁ~(ガクリ)

ぐにゅう~……まいりました……です

やっぱり盗賊団だったのか?

へっ!?
いや、当たらずとも遠からずだけど……

何か言った?

いえいえ、こちらの話ですー!

そーそー、盗賊はリュリュっちだけでぇ、
うちは真っ当な商人を目指してる善人なんで~

ほほう……

ややこしくなるから、ヨシノは黙ってて!

 

◆ ◆ ◆

 

えーっと、つまり私がさっきそのアルジェって子を
たまたま見てたのは、本当です……

で、その子が、さっき瀕死の怪物を……

瀕死の怪物?
私たちが倒した怪物の事かしら?

私が見た時は、1体だけ瀕死状態で逃げようと
してたみたいですよ?

仕留めそこなってたのね……チィ

で、その瀕死の怪物が逃げようとしてたところを……

逃げようとしてたところを……?

その子が……

アルジェが……?

GRAAAAAAAAAAAAA!!

んぎゃああああああああああああ!?

もう、空気を読みなさいよ!
この怪物め!

落ち着いて、迎撃するぞ!

「回復」を使う敵がいるよ……
先に倒さないとバトルが長引いて面倒かもー

わかったわ、
「回復」を使う敵を先に倒しましょう!

 

◆ ◆ ◆

 

今度こそ、全部倒したわよね?

ええ……どの敵も、もう動いてないわ

あれ……いつもなら消滅するのに……
しない……?

あ、あの怪物、起き上がりました!

GRRRR……

(ジィー……)

アルジェちゃん、危ない!
下がって!!

あーん……

えっ、口を開けた……?

これです!
さっき見たのと同じ!!

えっ?

(ピカッ)

あれ……怪物……どこ?

ええっ!?
いつのまにか全部消えてる……

おなか、いっぱい

ま、まさか……

……吸い込んじゃった!?

……………………

……けぷ

ええええーーー!?

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