.hack//New World

第三章 4話:惑乱の狼狽

ちょっと雰囲気がピリっとしてきたわね

うん……
おなか……きゅう……

それ、いつものと違うの?

シャノン、わかる?

何か、武者震い的な「きゅう」を
感じました!

え~、ホントに~!?

なかなか、高等なテクニックを持ってる
人たちだねぇ……

まだまだ、世の中には知らないことが
多いようです……

 

◆ ◆ ◆

 

話は変わるけど、あんた達は泣き姫と
DDと一緒に戦ったことがあるだろ?

ゴホッ!ゴホォッ!?

そんなに動揺されると、嬉しくなるなぁ
……あたしもあの時いたんだよね

ま、あたしはすぐに泣き姫にやられちゃった
んだけど

突然ね……それがどうかしたの?

言ったでしょ?
泣き姫と戦って得た情報は、貴重だって

私はすぐにやられちゃったけど、DDやあんた達は
その後も、戦ってたんでしょ?

あんた達は、あたしよりも価値が高いって事だよ

なるほど……

なにそれ!?
そんな簡単に人の価値が決められるの?

GRRRR……

目の前の敵を倒せなきゃ価値はない!

ハハ、ごもっともだね!

 

◆ ◆ ◆

 

ふぅ、少しは歯応えが出てきたみたいだね

そうね……戦って生き残った方が価値が高い
それだけは、私にも理解できるわ

あたしもヤな言い方したけど、泣き姫の懸賞金を
狙っている奴らの多くは、そう考えてるって事

ええ、わかったわ
ご忠告ありがと

それに……(チラッ)

んあ……?

その子は泣き姫との戦いの後から、
一緒に行動してるの?

わ、私の妹ですけど、なにか?

ぷっ……じゃあ、そういう事にしておくよ

ふぅ……
なんとか、ごまかせました~

いや、ムリでしょ

 

◆ ◆ ◆

 

おなか~……すいた~……

お腹がすいたって言ってるよ、お姉ちゃん?

はうぅっ!?
ア、アルちゃ~ん、ちょっと待ってね~

何かあったかな……

一体、何をお探しなんですか?
食べ物……なんですよね?

はーい、再び携帯用冒険食の決定版~
「アドベントウ」~だよ

もぐもぐ……

ふぅ……ひとまずはコレで……

GRRRRR……

ほら、そんなことをしてる間に、
また敵が来ちゃったわよ!

食事の邪魔をした事を後悔させてやる!

 

◆ ◆ ◆

 

GRRRR……

こいつ、倒したはずなのに消えない!?
まさか……コイツ!

わるいコは……

まずいわ!

だめ!
リュンクさん達が見てる!

リュンク、上だ!

えっ!?

上には何もいませんが……

めっ!

何だ!まぶしい!?

何も見えません!

大丈夫よ、落ち着いて!

戻ったか……あ、れ?

ど、どうなったんですか?

怪物が、消えた……?

ほ、本当ですねっ!(チラッ)

ていうか、怪物なら倒したじゃないの~?
(チラッ)

……ヒドイ

わ、わかったから……先に行くんでしょ?

……けぷ

けぷ?

次の話へ