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第三章 5話:決意

ねぇ、さっき……

この先、強い怪物が出そうね!

そうですね、気をつけて行きましょう!

あの、アルジェちゃん……

はい、なんでしょうか?

いえ、あの、アルジェちゃんに……

マネージャーの私を通して

いつからマネージャーに……あ、いえ
そうですね、マネージャ!

察し……

アルジェ、しずかにしてればいいの……?

察しが良くて助かる……

何なの、この茶番劇は……?

何かを隠そうとしているらしいですが、
バレバレですね……

 

◆ ◆ ◆

 

あー、一方的に話すから
聞き流してもらっていいよ

……な、なんでしょうか?

死なない怪物は、最近よく見つかってる……

泣き姫が目撃された所でね

なんですって!?

噂では、泣き姫の影響で怪物がそうなった
んじゃないかって云われてるね

また怪物、来るよ

次も例の怪物だったら、どうする?

きゅう……

アルちゃん……

今は、とにかく敵を倒そう!

仕方ないわね……!

 

◆ ◆ ◆

 

GRRRRR……!!

復活した……!
やっぱり泣き姫の操り人形か!

わるいコ……!

アルちゃん……!

めっ、だよ……!

GRR…………

消えましたね……

完全に消えた……
普通の怪物と同じだね

けぷ……まず……

あ、あの、これはですね……

先へ行こうか
話は歩きながらでも出来るさ

え、ええ……(チラッ)

とにかく説明するしかない

分かったわ……

 

◆ ◆ ◆

 

何回も言ったけど、泣き姫との遭遇情報や、
戦闘情報はそれだけで価値がある

もちろん、例の懸賞金を狙ってる奴らに
とって、という条件だけどね

ええ、それはわかったわ

さっきの泣き姫の支配を受けたという噂の、
死なない怪物も、同じようなものだよ

ましてや、対策や倒し方の情報なんて、
レア中のレア情報だからね……

あっ……!(チラッ)

ん……?

あたしが言いたい意味が分かってくれた
みたいだね?

もしその子にそんな力があって、しかも
泣き姫にも有効かもしれなかったら……?

そんな情報が、噂レベルでも広まったら
どうなるかな……?

だ、ダメです!
絶対に、ダメです!!

リュンク、あんた……!

おっと、次のお客さんみたいだよ!
あれを先に片づけようか

GRRRRR……!!

 

◆ ◆ ◆

 

今度はちゃんと消えたか……
普通の怪物だったみたいだね

リュンク、さっきの話の続きよ!

あんた、まさかアルジェの事を
売るつもりじゃないでしょうね!

ふっふっふ……そのまさかさ!

冗談はやめてよ

あ、分かっちゃった?
ハハ、芝居がかりすぎたか

今の冗談は笑えないです!

ゴメンね、っと……
もうひとり話を聞いてる子がいたっけ?

……ハッ!
すみません、私ですか!?

そうねぇ……
ただで帰す訳には行かなくなったわねぇ?

何とかに口なし……

ひいぃ、しゃべりません!
アルジェちゃんの事は何も覚えてませんっ!

察しが良くて助かる……フッ

 

◆ ◆ ◆

 

他にアルジェの事を知っているのは誰……?

ええっと……盗賊か商人か分かりませんが、
リュリュちゃん、ヨシノちゃんのお二人と……

闘技場で逃げたハルイエ、ネロミィが私の
復讐ノートにメモしてあるよ……

復讐ノート……?

はいはい、今はノーコメント!

あとは、その後共闘した、影狼丸くらいかな

アイドルの3人は、ただお話ししただけですし

アルちゃんの力を見た方は、それくらいだと
思いますけど……

意外と見られてるみたいだね……

いつの間にか見られてる事も考えると
秘密を守り通すのは難しいかも?

ううん、困ったわね……

こまった……?
アルジェ、わるいことしちゃった?

アルちゃんは、悪い事なんてしてないよ!

アルジェはみんなで守る

そうね、困ってなんかないわ
安心しなさい、アルジェ

そうよ、お姉ちゃんたちに任せなさい!

だね

おなか……すいた……

容赦ない妹さんだね、ハハ

……みなさん、本当の姉妹みたいで良いですね

私、ちゃんと秘密にしますから
ご安心ください!

じゃあ、腹ごしらえに先へ進もう!

ええ!

 

◆ ◆ ◆

 

ねえ、気のせいかもしれないけど
なんとなく、地面が振動してる感じがしない?

そうですね……ズシン、ズシンと
大きな足音が聞こえるような気がします!

これは大物、かも……

おなか、すいた……

食べ過ぎはよくないからね?

本当にお姉ちゃんみたいだね……

あっ!
あれじゃないでしょうか!

GRRAAAAA!!!

こいつは強力な一撃をもってるけど、
その後に大きな隙ができるよー……

強力な攻撃を叩きこむなら、その後が
狙い目ー……

あの敵が強力な攻撃をやった後、大きな隙が
出来た時が、反撃のチャンスですね!

よし、いくぞ!

はい!

 

◆ ◆ ◆

 

どうだい!?

……GRRAAAAA!!!

これも死なないヤツみたいね!

わるいコは……めっ!

GRRAAA……

……いや

いやあああああああっ!!

アルちゃん!?

ほっほっほ……

うそ……でしょ!?

泣き姫……!?

……さらばじゃ……

待て!

今は、まずいわ!

ホホホ……

逃げた……?
いや、見逃してくれた、のかな……この場合

アルジェは、大丈夫!?

……うん

……けぷ

今のところ大丈夫みたい……

(ガサッ……)

そこ……誰かいる!?

なんですって!?

あたしも行く!

 

ゴメンね、見つけられなかったよ

私もです……お役に立てなくて済みません!

私もよ……いつから見られていたのかしら

どちらにせよ、今はアルちゃんに無理は
させられないです……

街に帰りましょう……

 

~ホーム~

 

ちょっと不安だけど、解散しましょうか……

まさかまた泣き姫と遭うとはねー……

アルちゃん、大丈夫……?

うん……おやすみなさい……

ええ、おやすみアルちゃん……

……すぅ……

このまま静かにしておこう

ええ……

おつ……

…………

(ピコン♪)

「新着メッセージあり」

『【主人公】さん、お疲れさまです』

『アルちゃんのこと……心配です』

みんなで守ろう

『はい!【主人公】さんには、
いつも勇気づけてもらって、感謝してます』

『あの……【主人公】さん
今日はありがとうございます』

『おやすみなさい』

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