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第四章 2話:DDという女

くっそー!
何なんだ、さっきの女どもはよォ!

俺、女の敵として晒されちゃう?
もう、彼女できないっての!?

そりゃ、どっちみちムリだろ
人のことは言えないけどな

……だよな、知ってた!

クッソォー!
やっぱ俺たちには泣き姫の懸賞金が必要だ!

おい、お前……いや、キミ~
今、泣き姫の懸賞金って、言ったか?

あ、ああ……それがどうした?

丁度よかったぜ……
ちょっと俺にも、色々教えて欲しいんだよなぁ

なにしろ泣き姫、始めたばっかなんでよ……
頼むぜ、センパイ?

 

◆ ◆ ◆

 

~街はずれ~

 

ここならあまり人目もつかないんじゃない?

魔物は居そうだけどー……

そうだな……

さっそく話を聞かせ――

ねぇ、何で泣き姫を追ってるの!?
やっぱりアナタも賞金狙いってわけ?

今、私が話をっ……まぁいい

賞金なんか、どうでもいい……いや、なぜ賞金が
かけられているのか、その事には興味がある、か……

はあ?

さっぱり分からないよー……

そうかもね……あなた達は、知らないの?
泣き姫に、誰が、なぜ、懸賞金をかけているの?

知らないわ
私たちもあの時、初めて知ったんだもの

私もみんなが知ってる噂だけー……

それじゃあ、私があなたたちに教えられることは
もうないわ

これ以上、他人に詮索されるのはゴメンなの

む……

ひゃはぁ!
金目の物、置いてけー!

もー!
空気読めー!

 

◆ ◆ ◆

 

なかなかやるじゃない

いたぞ、こっちだ!

無駄口をたたいている暇はなさそうだけど?

もぉ~、しつこいなぁ

 

◆ ◆ ◆

 

そろそろ息が上がってきているんじゃない?

あら?あんたこそ動きに
切れがなくなってるわよ

そっちこそ達者なのは口だけ?

むっかぁ~!!

 

◆ ◆ ◆

 

じゃあ、今度はこっちが聞く番よ……
特に、あなたにね

えっ!?

あの時……泣き姫を退けた、あなたの力は何?
それに私に一体、何が起きたの!?

【主人公】の瞳の力……?

私たちも知らないよー……
特にその角のことなんてねー……

とぼけてるの……?
そういえばあの時、他にもいたはずよ

たしか……女の子が倒れていたはずだけど
あの子はどこ?

……なんのこと?

今度は、とぼけたわね……
あの子が何か知ってるんじゃないの?

どうかなー……?
とぼけておくよー……

バカにしてるの!?
いいわ、この近くにいるんでしょ?

勝手に探すわ、どいて

あの子は関係ない

必死ね……
ますます、話を聞かないといけなくなったわ

あなた達にとって、これはゲームかもしれない……
でも、私にとっては、遊びじゃないの

邪魔をするなら、力づくで通るわ!

あっ、ちょっと待ちなさいよ!!

待って、ここ魔物の巣だよー……

 

◆ ◆ ◆

 

ちょっと、モンスターの数多くない?

数を数える余裕があるのならまだ大丈夫みたいね

はぁ?あ、当ったり前じゃないの!

じゃあそっちの方、頼むわね

先にかたづけてやるぅ~!!

 

◆ ◆ ◆

 

ちょっとアンタ、待ちなさいったら!

くどい、邪魔をするなら力づくと言ったわ!

 

◆ ◆ ◆

 

なるほど……
そっちも、それなりの覚悟はある、という事ね

協力できないのか?

協力?ふふふ……自分の力も知らないのに?
今、ここで何が起きてるかも知らないのに?

何も知らない他人に、これ以上
興味本位で首を突っ込まれたくないわ

もういいわ……とにかく私は泣き姫を追う
邪魔をするなら、お前たちは敵よ

なんなのよ……
何で、あんたは泣き姫を追ってるのよ!

……なぜ「私」は……

え?

……なぜ「DD」は「泣き姫」を追っていたのか……
それを知るためよ

な、なによそれ……!?
意味が、分かんないわよー!

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