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第四章 5話:寡黙な傭兵

ええ、是非これからもお見知りおきを……
【主人公】……さん?

あら、そう言えば自己紹介してなかったわね
私はジュリよ

シャノンです、よろしくお願いしますね

マルタ……
丸太じゃないよー……

ええ、よろしくお願いいたします……
その子は?

アルジェ……

アルジェ……?

……うん

恥ずかしがり屋さんのようね?
フフフ……よろしくね、アルジェちゃん

よろしく……

あなた、仕事上のトラブルで追われてたって
言ってたけど、何をやったの?

さっきも言ったと思うけど、情報屋は人のために
なる情報も、そうでない情報も取引するのよ

それに取引した情報が間違っていたり、
あえて情報を取引しない事もあるわね

つまり、恨みを買うなんてよくある話なのよね

自分の情報まで漏れちゃうなんて、
因果応報だー……

あら、耳が痛い話ね……フフフ
そうね、気をつけるわ

これからどうする?

そうね……あなた達、強そうだし
少し、付き合ってもらえると有難いのですけど……

お困りでしたら、お手伝いしてもいいですよ?

そうなの、お困りなのよ、フフフ

それで、どこに行けばいいの?
街に戻る?

街に戻る必要はありませんわ
このまま、狩りを続けていただけます?

えっ……!?

 

◆ ◆ ◆

 

実は、腕の立つ冒険者を探してる方々がいて、
紹介しなければいけなかったのを思い出しまして

あなた達が、ちょうど良い所に居てくれて
助かりましたわ、フフフ

あの……
何か悪い事に巻き込まれようとしてる気がします……

ちょっと、私達をどこかに売り飛ばすつもり!?

そんな人聞きの悪いことを……
ホラ、怪物の群れが来ましたけど?

あとで説明してもらうよ!

悪い話じゃありませんから、ご心配無く……フフフ

嫌な予感がするよー……

 

◆ ◆ ◆

 

これくらいの敵なら、まだまだ序の口みたいですね

どうってことないね

フフフ、どうやら私の見込み通りみたいね?

あら、また敵が現れたみたいよ?

仕方ないですね、戦いましょう!

 

◆ ◆ ◆

 

まだまだいけるみたいですね
余裕たっぷりって感じ

「いける」と「いく」は
違うよー……

あ、来ましたよ
次の魔物が

ノォー……

 

◆ ◆ ◆

 

私の調べたところによると、今は敵が大量に
発生する時間のはずだから、がんばってね♪

それを先に言ってよ、もう~!!

 

◆ ◆ ◆

 

素晴らしいですね!
これだけやれるなら、かなりの戦力になりそうですよ

あの……戦力っていったいどういうことです?

ええ、それはもちろん封印の魔物を狩るという、
冒険者のお仕事として当り前のことですよ?

それが、さっきから言ってる私達を紹介したいって話
と関係するわけ!?

察しが良くて助かります♪
もう少ししたら、魔物の大量発生も終わりますよ

紹介して欲しいなんて言ってない!

まぁまぁ、紹介するまでが私のお仕事ですので
その後は皆さまのお好きに……♪

その言葉、本当でしょうね!?

私は皆さまを信用してますので、出来れば皆さまも
私を信用して頂けると助かりますが

は、はぁ……

 

◆ ◆ ◆

 

さっきから気になってたんですが、アルジェちゃんは
戦わないのね?

アルジェ……戦えない

え、ええ……まだ冒険者の卵みたいなもので……

そう、そうなのよ……あ、ホラ!
次の魔物が来たわ!

は、はい!

あら、まぁ……?

 

◆ ◆ ◆

 

時間的に、次が最後の集団だと思いますよ?

分かりました!
アルちゃん、隠れていてね?

うん

あらあら……お姉さんと一緒にいる?

……ううん

あらあら……?

 

◆ ◆ ◆

 

これで全部、倒したみたいね……

ええ、私の情報は正しかったでしょう?

情報の出し方のクオリティっていうものがね……

さぁ、待ち合わせ場所はこちらですよ
待ち人はもう、来ているようですね

何だか、この人のペースに巻き込まれてるわ……

どうも、お待たせしちゃいましたか?

……いや、それほどでも

紹介したいのってこの人?

ええ、こちらはタリオン様
「都市解放傭兵団」の幹部さんですよ

傭兵団に、幹部はいない……
皆が団の掲げる理念の下、平等だ……

ああ、そう言う事になっていましたね

……タリオンだ
「都市解放傭兵団」で狩猟部隊に加わっている

【主人公】'だ

ああ、よろしく頼む

それで「都市解放傭兵団」ってなんなの?

説明しよう……すぐに理解できるはずだ

「封印の獣」を狩り、「封印」を弱め、都市機能を
復活させる……我々冒険者の本分といえるだろう

その基本的な活動を率先して行う……
それが「都市解放傭兵団」だ……

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