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第五章 2話:迫る悪意の威圧

アルジェが行きそうな所って、どこかしら?

エンジェルバーズのところは?

そうですね!
たしかにあり得ます!

さっそく、行ってみましょ!

じゃあ、私は先にヨシノに話を聞きに行ってみます!

はい、よろしくお願いしますね

 

◆ ◆ ◆

 

~広場~

 

広場が賑わってますね、あそこでしょうか?

(ピュー!ピュー!ワカバー!)

(モモちゃーん!)

(アオイさまーー!)

みんなー!ありがとーっ!!

今日もありがとうございます!

また来てくれると嬉しいな……じゃあね!

(ぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱちぱち)

みんな、お疲れ様!

あっ、【主人公】も来てくれたんだ♪
ありがとうね!

なんか、元気なさそうだね……どうかしたの?

ええ、実はアルジェがいなくなってしまって……
みなさん、アルジェを見ませんでしたか?

えっ、あの女の子がいなくなっちゃったの?
私は見てないなー……みんなは?

私も見ていませんね……

うん、悪いけど私も見てないよ……ゴメンね

そう……ですか……

【主人公】……
周りにこの前襲ってきた奴が囲んできてる……

ええっ!?

ここで襲われたら迷惑になる

らじゃー……

……じゃ、じゃあ私達、そろそろ行くわね!

あ、うん、またね!
アルジェちゃんによろしくっ♪

また、あの人たちですか……?

みたいね……

ちょっと人が少ない所に行くよ

はい……

(スッ)

………………

………………

まさか、この人達がアルちゃんを……?

それは分からないけど、邪魔するなら戦うわよ!

 

◆ ◆ ◆

 

クッ………………

お前たちがアルジェをさらったのか!

………………フッ

(ブンッ)

あっ!逃げた!!

「落ちて」逃げるとは、卑怯者めー……

………………

………………

新手です……!

 

◆ ◆ ◆

 

………………

(ブンッ)

また逃げた!
もう、なんなのよ!?

アルジェは捕まっていないのかな……

アルちゃんが、あの人たちに捕まってるのなら
何か反応があってもいいですよね……?

私たちから情報を得ようとしているのかも……

街へ戻っていないようでしたら、狩りをしている
傭兵団の方に聞いてみると良いかもしれませんね?

独自の情報網があるかもね……

狩りをしながら傭兵団を探そう!

ええ、【主人公】さん急ぎましょう!

 

◆ ◆ ◆

 

お、おぉ~い……みなさ~ん……

……ジェイフルかな?

はぁはぁ……
【主人公】さん達がいて、助かりましたぁ

どうしたのよ、ボロボロじゃないの

実はタリオンとはぐれた所を魔物に襲われまして……
ええ、それはもう、休む間もなく次々と……

私、ひとりだと自慢じゃありませんが役立たずなので
皆さんに会えて本当に良かった……

アルジェを見なかった?

アルジェ……?
ああ、この前いっしょにいた、カワイイ女の子ですね

私はあれから見かけてませんね……
もしかして、はぐれたのですか?

ええ……

それは心配ですね……同じくはぐれた者としては、
アルジェちゃんの心細さが痛いほど分かります!

説得力あるねー……

この辺りは今、強い魔物の発生する時間帯のようなので
みなさん、お気をつけて……!

 

◆ ◆ ◆

 

アルジェちゃんと、はぐれたという話ですが、同じ
エリアにいれば探し出すことはできませんか?

冒険者であれば、その機能があると思いますが……

ジェイフルもはぐれたんでしょ?

ええ、普段は探知されないようにしてますが、
はぐれた時は探知してもらえるように切り替えますよ

それでタリオンと連絡しましたし……
普通、そうですよね……?

えーっと……アルジェ、気づいてないのかもね?
しょ、初心者だから!

え、ええ……そうなんですよ、フフフ

あぁ、そうでしたか
ありがちですよね、ハハハ

あっ、タリオンから連絡です……なるほど、なるほど
すぐ近くにいるようですね

じゃあ、魔物を蹴散らして合流しましょう!

 

◆ ◆ ◆

 

ジェイフルを回収してくれて助かった
すまなかったな……

それでは、お返しいたします

では、引き取ろう……

そんな、荷物みたいな言い方は
出来ればやめてもらいたいんですが……

あの、私達と一緒に居たアルジェを見ませんでしたか?

あの少女か……いや、見ていない

そうですか……

冒険者の探知でも見つからないのであれば、
目と足で探すほかない、か……

俺も出来るだけ協力しよう

お願いするよ

心得た……

 

◆ ◆ ◆

 

人探しなら、情報屋に聞いてはどうだ?

たしかメルツィアさん、かな……?

そうだ……知っての通りひとクセあるが、藁をも
掴みたいところなのだろう?

だとしたら、街に戻った方がいいかしら……

そうだな……俺もそろそろ戻ろうと思っていた所だ

ええっ、せっかく合流したのに……

俺は十分だ……魔物を狩りながら帰る

すみません、ジェイフルさん……

 

◆ ◆ ◆

 

メルツィアって、どんな人?

俺もあまり交流はないが……
戦っているところも見た事はない

私もあまり、知りませんね

情報屋なんて、そんなものかも……

メルツィアには、俺から連絡しておこう
彼女が来るとは限らないが……

そ、そうなんだ……でも、ありがとうね

み、みなさん、魔物が近づいてきてますよ!

まずは、そっちを片づけないと!

そうだな……迎撃だ

 

◆ ◆ ◆

 

もうすぐ街だが……メルツィアから返事はない

どこに行けば会える?

待ち合わせなど、向こうから連絡してくるのが
メルツィアのやり方のようだ

つまり連絡待ち、ということね……

その前に……出る杭は打たれる、か?
また現れたようだ

………………

………………

で、出ましたね!

兵は神速を貴ぶ……

いいだろう、速やかに迎え撃つ……!

 

◆ ◆ ◆

 

全て世は、事もなし……だ

………………

………………

(ササッ……)

逃げ足も速いわね!

もう終わりか……?

(あなたは、何か刺さるような視線を感じた)

(視線を感じた方を黙ってにらみ返す)

気圧されず、抗ってくるか……まぁまぁだな

あ、あなたは、誰なんですか!?

俺か……俺は、ゴーディン
さぁ、俺は名乗ったが……お前は礼節を重んじる方か?

【主人公】……

【主人公】……ああ、そんな名前だったな

【主人公】、この人知ってるの……?

知らない……はず

だろうな……だが、俺はお前を知っている

どうだ、不安か?
一方的に情報を握られている、この感覚は?

なんなの、この人……

あの……もしかして、アルちゃんを……
銀髪の女の子をご存じですか?

さぁな……ただ、俺がその娘を知っていたとしても
お前達に知らせる必要も感じないが?

知ってるなら、教えて下さい!
……まさか、あなたがアルちゃんを!?

小娘を相手にするほどの暇はない
……消えろ

!!

(ガキッ!!)

……何の真似だ、【主人公】

【主人公】さん……守ってくれたんですね

手荒な真似はよせ!

この俺の邪魔をするような真似こそ、止めるべきだ
覚えておけ……

何なの、この男……ヤバイんじゃないの?

……ガチだ……

フッ、今日は挨拶代わりだ……
今のお前達を潰しても、何の価値もない

せめて、泣き姫を呼び寄せるエサにでもなってくれ
フハハハ……

あの人も、泣き姫を……

アルジェを早く助けないと……

ええ……泣き姫を狙っているのなら、アルジェも
狙われるかもしれないわね……

アルちゃん……

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