.hack//New World

第五章 4話:そして最初の森へ

お金はいらないわ……
私が欲しいのは、情報……

あなた達が知っている「泣き姫」の情報と引き換えよ
悪くない条件でしょう?フフフ……

アルジェのためなら迷う事はない

そう、ですね……とは言っても、私たちもそれほど
情報を知りませんけど……(ぼそぼそ)

アルちゃんの力は伏せたいですね……(ぼそぼそ)

あら、どうしたの?
フフ……作戦会議とか?

いえ、あの……以前私たちが遭遇した、泣き姫との
戦った時のお話でよければ……

ふむ、その時【主人公】さんに、
さっき見た力が発現して……

泣き姫を退ける事が出来たのね……

はい……
(アルちゃんを保護した話は……やめておきましょう)

ひとつ確認ですけど、その直前に「銀の一角獣」が力を
使うのを、あなた達は見たのよね?

「銀の一角獣」って?

「銀の一角獣」はこの“The World”を監視する者……
と言われてるわ

公式発表はないけど、通称「SSS」……

正しくは「Sophia System Security」に続く
次世代のセキュリティシステムらしいわね

とても参考になったわ、ありがとうね

それで、あの……
アルちゃんの居場所についての情報は……

ある森でアルジェちゃんらしい女の子を見た人が
いるみたいよ

今は裏付けを取っているところなのだけれど、ね

森、ですか?

泣き姫と最初に会った、あの森?

そう、さっきあなた達が言っていた「泣き姫」と
遭遇した森みたいね

【主人公】さん、行ってみましょう!

お互いに良い取引だったかしら?
ふふふ……

 

◆ ◆ ◆

 

~森へ続く道~

 

ジュリさんたちもアリーナで別れた後、
襲われたんですか?

ええ、影狼丸たちやタリオンたちも襲われたみたいね

敵も分散したから、なんとか迎撃したけどね……

相当、目をつけられたみたいだ

泣き姫と戦ったからでしょうか……
それとも、やっぱりアルちゃんの事が……?

何度来られても、教えてやる事なんかないって
言ってやりたいわね!

ほら、そんな事を言うから……

………………

………………

お引き取り願おう!

 

◆ ◆ ◆

 

アルジェを森で見たっていう情報は確かなのかしら?

今のところ、森しか考えられない

最初にアルジェが森に行きたがってたし……
可能性はあるよねー……

………………

………………

アルジェを探す邪魔はさせない!

 

◆ ◆ ◆

 

そろそろ森ですね……

アルジェ、お腹すいてないかな……

アルちゃんがお腹すいたって言う時は、いつも大変な
事になってましたけど……

今は、それでも良いからアルちゃんの声が聞きたい……

あっ……

なに!?

………………

………………

空気読まない、不埒なヤツらだよ……

 

◆ ◆ ◆

 

~森~

 

キョロキョロ……
今のところ、他に人の気配はないよ……

この辺りにはいないのかな……

いないと思うー……

慎重に探しましょう……

GRRRRR…

代わりに魔物が来てるわよ!
気をつけて!

 

◆ ◆ ◆

 

ねえ、二手に分かれて探してみたらどうかしら?

たしかに確率的には上がるね

では【主人公】さん、いっしょに行きましょうか

じゃあ、私はまたマルタとね?

ラジャー……

GRAAAAA!

まずは、あいつらを倒してからね!

 

◆ ◆ ◆

 

アルちゃーーーーーん!

いたら、返事をしてーーーー!

…………

アルジェーーーーッ!!

……返事がありませんね

GRRRAAAAA!

私たちの声で、魔物を呼んじゃったみたいです!

 

◆ ◆ ◆

 

アルちゃーーーーん!!

疲れてない?

アルちゃんの方がきっと大変ですから、
私が頑張らないと……

アルちゃんと離れたくない……

同じような思いは、もう嫌なんです……私

シャノン、それって……

………………

………………

まだ、この人たちが……!

 

◆ ◆ ◆

 

まだあの人たちが追いかけてきてるなんて……

アルジェが心配だ……

ええ……でも逆に言えば、アルジェが見つかってない
から、こちらに来ているって事かもしれませんよね?

………………

………………

私たちの事は放っておいて下さい!

 

◆ ◆ ◆

 

アルちゃんは、絶対に危ない目に合わせたりしない……
絶対に……

うん、分かってるから

あっ……すみません
私、独り言を言ってましたね……

私、妹がいたんです……
ずっと昔に病気で亡くしちゃったんですけど……

それで、ちょっとアルちゃんの事を妹と重ねて
しまったのかもしれないです……

アルジェは、きっと大丈夫だよ

はい……

おっやぁ~?
今日はなんだか少ねぇじゃねーか?

あなたは……たしか、バリゾーさん!
まさか、あなたもアルちゃんを!?

あぁ?俺はおめぇらがこの森にいるって聞いたから
来てやっただけだぜ?

さっさと泣き姫のことを教えやがれ!

泣き姫の事を聞いてどうする!

そりゃおめー、泣き姫を倒して、懸賞金を手に入れる
ために決まってんじゃねーか!

あの……一応お聞きしますけど、銀髪の女の子を
この森で見かけませんでしたか?

そいつを知りたきゃ、オレを倒してみな!

 

◆ ◆ ◆

 

ぐわわっ!
いつもより少ねーのに、負けちまった!?

私、今必死なんです!
あなたにかまってる暇はありません!

それで、アルジェは見たの?

負けたから教えてやるけどよ、オレは見てねーぞ

そうですか……ありがとう、ございます……

お、おう……
そんな泣きそうな声、出してんじゃねーよ……

と、とにかく今日はおめーらが少なかったから、
本気を出さねーでやったんだからな!

次は、マジにぶっとばしてやっから、覚えてろ!

はいはい……

おめーらがダメでも、DDをとっつかまえて話を
聞くって手もあらぁな……

DD……さんに?
あの人がどこにいるか、ご存じなんですか?

おう……何でも、最近ウワサの冒険者ばかり襲う連中と
つるんでるって話だぜ?

ええっ!?

DDが、どうしてそんな奴らと……

 

◆ ◆ ◆

 

イヤ……こないで……こないで……

可哀想に……アルジェ……
お前は、どうしたい……?

ワタシは……

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