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第五章 6話:死を喰らう者

~森~

 

本当にこの森に、あの子はいるの……?

そうね、情報が確かならその可能性は高いわ

曖昧ね……何のために私があなた達に協力してるのか
よく考えて欲しいんだけど

私もあの子を見つけたいの……あなたに嘘をついても
仕方ないでしょ?フフ……

……わかったわ

(あせっても仕方ない……今は利用できるものは
利用しないと……)

思う所は色々あるでしょうけど……フフフ

今は我々……「デスイーター」と、お互いに協力した
方が得だと思うわよ……?

 

◆ ◆ ◆

 

あいつらの狙いが【主人公】かアルジェ
だとしたら私たちのしなけりゃいけない事はひとつね

アルジェを先に探し出す!

その通りですね、時は一刻を争います!

アルジェを先に見つけると決めたら、急いで
先に進みましょ!

近寄る敵は、速やかに排除だよー……

 

◆ ◆ ◆

 

アルちゃんの力は、この前DDさんに見られてますし、
あの襲ってくる人たちにも知られてますよね……

これ以上広まると、大変な事に

泣き姫を狙っている人たちが、こぞって狙ってくる
かもしれませんね……

色んな意味で、もっと力をつけないといけないわね!

 

◆ ◆ ◆

 

どうすれば、アルちゃんが狙われなくて済むように
なりますかね……

泣き姫を倒しちゃえばいいよ

そうか……そうよね!

言うは易し、行うは難しー……
無茶を言いおる……

まぁ、いつか泣き姫を倒したら、遠くを旅して
みたいわね、みんなで

はい……アルちゃんも一緒に、みんなで!

 

◆ ◆ ◆

 

意外と深い森ね……

泣き姫と戦った時は途中で帰ったから

泣き姫と出会わなければ、アルジェとも出会わなかった
のかしらね

あれで私たちの運命が色々と変化したみたいに
思えますね……

もう~……
アルジェったら、どこまで行っちゃったのかしら!?

 

◆ ◆ ◆

 

魔物の気配じゃない何かが来るっぽい……?

アルジェ……?

どちらかというと、殺気を感じるー……

………………

………………

あー、コレコレ
この気配だー……

悠長な事を言ってないで片付けるわよ!

 

◆ ◆ ◆

 

私たちを襲ってくると言う事は、まだアルちゃんが
捕まってないっていうことですよね?

うん、そうだと思う

だったら、どんどん襲ってきてくれて構わないですね!

前向きすぎるけど、どんと来いだわ!

………………

………………

あんた達、何が狙いなの!
アルジェ?それとも【主人公】!?

………………

まぁ、答えてくれるとは思ってないけど!

 

◆ ◆ ◆

 

いったい、あいつらは何人いるのかしら……
本当にうざったいわ!

規模は不明だけど……倒されても、しばらくしたら
何度も襲ってきてるみたい……

かなり組織化されてる感じだ

快楽的に襲ってくる感じじゃない……
ある意味、統制が取れた軍隊っぽい……

なおさら、そんな人たちにアルちゃんは渡せません!

 

◆ ◆ ◆

 

これまで襲ってきた中には、DDさんはいません
でしたね

会ったら話をしてみよう

ちゃんと話を聞いてくれるかしらね……?

うーん……難しそうだよー……

あっ、あそこ!

…………

やっぱり、いたわね……!

………………

………………

邪魔だ……どいてもらう!

 

◆ ◆ ◆

 

お前たち……やはり来ていたのね

来ていたのね、じゃないわよ!

やっぱりあの人たちの仲間に……

なぜあんな奴らの仲間になった!?

お前達には関係ない……

アルちゃんを酷い目に合わせようとしているなら
私は絶対に許しませんから!

……何を言ってるの?
あの子に、リアルが存在するならまだしも……

しゃべって動くだけの、良く出来た人形じゃない

人形なんかじゃない!

そうです……
アルちゃんはただのお人形なんかじゃありません!

この作り物の世界でしか存在しない女の子に
何を必死になってるの?

それでも……アルちゃんはこの世界で生きています!

シャノン……

私は、リアルが大事なの……
あなた達のオママゴトにつきあってはいられないわ

アルジェはみんなで守る!

はい!

 

◆ ◆ ◆

 

何度戦っても、何を言ってもムダよ……

私は泣き姫を追う……!
泣き姫に届くための手段は、何でも使う……!

お前たちがあの少女を何と思っていようが、
利用できるのなら、利用する!

私はアルちゃんを……妹みたいに思ってます!
何でそんな酷い事を……

妹みたいに……ですって?ハハッ!
だったら、私の気持ちがあなたにも分かるはずよ……

私は、妹を取り戻すために、泣き姫を追っている……

前にも一度言ったけど、もう一度言っておくわ……
邪魔をするのなら、お前たちは敵よ!

妹を取り戻す?

もうこれ以上、私に関わらないで……
話す事なんて何もないわ……!

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