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第五章 7話:執念の争奪劇

~森~

 

私は、妹を取り戻すために、泣き姫を追っている……

前にも一度言ったけど、もう一度言っておくわ……
邪魔をするのなら、お前たちは敵よ!

妹を取り戻す?

もうこれ以上、私に関わらないで……
話す事なんて何もないわ……!

ちょっと、待って下さい!

こんな作り物の世界で、姉妹ゴッコなんて……
絶対に、許せない……

(ザッザッ……)

あ……

……何だか、全く寄せ付けない雰囲気だったわね

私が妹の事を話してから、明らかに怒ってました……

あれは、逆鱗に触れたっていうよー……

アルジェを探しに行かないと

密かにDDに先を越されたよ……

少し複雑な気持ちですけど、私たちだって
アルちゃんと早く会いたいのは変わりませんし……

それじゃあ、アルジェ探しを再開しましょ!

 

◆ ◆ ◆

 

DDたちは、アルジェの居場所の目星は
ついてるのかしら……

きっとまだ手探り状態

分かってないから、私達を襲って時間稼ぎを
しているんじゃないかと思います……

………………

………………

おっと出たわね、お邪魔虫!

 

◆ ◆ ◆

 

きょろきょろ……

誰かみつけた?

この悪意ある気配は、アルジェじゃないねー……

………………

………………

マルタ、正解ですね……!

 

◆ ◆ ◆

 

相当、私たちの足止めをしたいみたいね!

向こうも焦っているのかな

泣き姫を狙っている人たちは多いみたいですし、
早く懸賞金を手に入れたいんでしょうね……

………………

………………

必死だね……
かかっておいでー……

 

◆ ◆ ◆

 

ん……?
人の気配が減った……?

一旦、引き揚げたんでしょうか?

今のうちに急ごう!

そうね、邪魔が入らないうちに捜索を進めたいわね

GRRRRR……

出鼻をくじかれたー……

 

◆ ◆ ◆

 

探す当てがないと、この人数では厳しいですね……

向こうは人海戦術も使えるしね……

こればかりは……
ずるいよね……

GRRRRR……

あ、魔物だー……

すぐに片付けましょう!

お、おう!

 

◆ ◆ ◆

 

あら……?
あの人は誰かしら……

………………

襲ってくる連中とは違うみたい

襲ってきた連中だったら、単独行動はしてなかったと
思うし……

攻撃的な人にも見えないよー……

あ……見失っちゃった
どこに行ったのかしら……

GRRRRAAAAAA!

そんなことより、魔物が現れたよー……

 

◆ ◆ ◆

 

あっ、あそこにさっきの方がいましたよ!

あの人に話を聞いてみよう!

この辺りに詳しそうな感じですよね……
聞いてみましょう!

GRRARAAAAA!!!

うわっと!
こいつらをまず倒してからね!!

 

◆ ◆ ◆

 

君たちは、何者だ……?
ここへ何をしに来た

アルジェという女の子を探してます

アルジェという少女を……?
なぜ、その少女を探しているのだ?

アルちゃんは、私たちの家族みたいなものです
探すのは当たり前じゃないですか……?

君たちがその少女を探しているのは分かった……

だが、なぜ少女がそなたらから離れたのか
その意味を考えてみたのか……?

考えもしなかった……

少女がもうそなたらに会いたくない、あるいは
会えなくなった……そう考えたりはしなかったのか?

そんな……いえ、それでも私は会いたいです
私の身勝手だとしても……

どちらにせよ、君たちと少女が決める事……
私が口をはさむ事ではなかったな

その少女は、この森のさらに奥にある洞窟にいる……
かも、しれぬ

ほ、本当ですか!?
ありがとうございます!

ありがとう、えっと……

お名前をお聞きしてもいいですか?

私の名か?
そう……今はニンリル、と覚えてもらおうか

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