.hack//New World

第六章 2話:混沌の追跡

泣き姫……今度こそ追い詰める!

ふふ、そう願いたいものだわ

言っておくけど、邪魔はさせないから

えぇ……もちろんそのつもりよ
我々は懸賞金さえ手に入れば良いのだし……ふふ

GRRRRAAAAAAA!!

(ザシュッ!)

それにしても、厄介な魔物たちね……
倒しても倒しても、キリがないわ

……その悲しみが世界を覆いつくすまで
涙の湖は、枯れることなくこんこんと――

何かしら、今のは?

……何でもないわ、ただの戯言

 

◆ ◆ ◆

 

思いのほか、デスのヤツらの足止めが利いてるわね
くやしいけど!

迷わなくて済む

そだねー……
敵の向こうに泣き姫がいるわけだし……

ともかく、敵を倒していけば目的は果たせそうね

 

◆ ◆ ◆

 

でも、ひとつ分かったわね……
泣き姫は狂った魔物を生み出すってこと

なぜそんな者が生まれたんだろう?

そして、なぜ「消されない」か……
だよねー……

アルちゃんも含めて、不思議な事が増えましたね……

この魔物たちの先にいる泣き姫と戦えば、なにか
分かるのかしらね……?

 

◆ ◆ ◆

 

なかなか追いつけないよー……

魔物がこれだけ来るとなるとマズイかも

下手するとDDたちは全滅してるねー……
ある意味都合が良いけど……フフフ

コラコラ、滅多なこと言わないの!

ジョークだよー……

残念だったな……フフフ

(ザザッ……)

ほら、変なこと言うから出てきちゃった
じゃないの~!

 

◆ ◆ ◆

 

追いかけてもムダだ……
もう今頃はネージュさまが追いついているはず……

きっと魔物に苦労してる

それはそれで、魔物の情報が蓄積される……

情報収集してるだけ……?

勝てればそれに越したことはないが……
とにかく最後に勝つために、やる事をやるだけだ……

例えばここでこうして話をしながら、応援が来るのを
待つ、とかな……!

な、なんですって!?

(ザザッ……)

ハッハ~、お待たせ~!!

や、やられた……

 

◆ ◆ ◆

 

うぅ……やられたぁ……
ちょっと俺の話を聞いて行く気はないか?

先を急ぐんで

そりゃあ、ちょっと都合が悪い
もう少し足止め……いや、時間を……

無視よ、無視!

(ザザッ……)

だが、すぐには行かせん…………

結局、足止めされちゃいましたね……

 

◆ ◆ ◆

 

「わるい」魔物があまり出てこないから
アルちゃんの負担が減って良かったかも……

不幸中の幸い、というやつかな

ええ、出来ればどちらもあまり出てこないで
欲しいですけど

ほらほら、足止め隊のご到着よ!

お察しのようだが、足止めでなく倒せと言われている
……行くぞ

 

◆ ◆ ◆

 

くっ……やるな
これまで我々を手こずらせるとは……

足止めにもならなかったよ

ああ、残念ながらそのようだな……

だが、十分に時は稼いだ、もうネージュとDDは
泣き姫に辿り着いてもおかしくない

では、後は次の者に引き継ぐとしよう……フフフ

まだいるっていうのー……

 

◆ ◆ ◆

 

くっ……ここで食い止めなければ!

相手なんかしていられないな

そうね……早く追いつかないと!

おー……
これまた団体さんだよー……

この先は、通さんよ……姐さんに叱られちまうからな

通さない、と来たわね……

覚悟してもらおう!

 

◆ ◆ ◆

 

くっ……姐さん、すまねぇ……

うちのメンバーも、だらしないわね

追いついたぞ!

追いついた、ですって? フフフ
待っててあげたのよ、あなた達を狩るためにね

なんですって!?

意味が分からないよー……

フフフ……じゃあ、分からないまま
ここで眠ってもらおうかしら……!

見くびるな!

 

◆ ◆ ◆

 

これだけのメンバーや魔物を相手に、ここまで来た
だけの事はあるわね……ふふふ

いいわ、ここは退きましょう
DDと泣き姫によろしくね……?

フフフ……

(ブンッ……)

あっ、逃げた!?

負けたくせに、余裕ぶるところが
ズルいよね……

私たちもさすがに満身創痍ですけど……

お姉ちゃんたち、おなかすいた……?

うふふ、私たちは大丈夫よ?
ね、【主人公】さん?

休んでもいられないしね

ええ、もう一息ですからね

あの人たちがいなくなったと言う事は、DDさんが
孤立している、ということですよね?

ええ、そうね……
でも彼女なら、そのまま独りでも泣き姫を追うわよ

そう……だね……

DDを助けに行こう!

おおー!

……けぷぅ

次の話へ