.hack//New World

第六章 4話:鍔迫り合いの共闘

【主人公】 さんの言う通り、
アルちゃんは、絶対に渡せません……

だから、みんな一緒に行きませんか?

仲良くピクニックにでも行くつもり?
私は、遊んでる訳じゃないと言ってるでしょ!

なおさら放っておけない!

こ、この……なんてお節介なのよ……

そう、私たち……特に 【主人公】 って
どうしようもなくお節介なのよ

悪いけど、あきらめてくれない?

く……これ以上、あんた達と話してても
時間の無駄だってよく分かったわ……

ちょっとあんた、まだそんな――

そんなに一緒に行きたいなら……
勝手についてくればいいわ

……あら?

その代わり、あんた達の力は使わせてもらうわ
アルジェって子もよ!

嫌だとは言わせないから……いいわね!

改めて…… 【主人公】 だよ

【主人公】 ね……覚えないわよ

ふーん……?

覚えないわよ!? 
慣れ合うつもりはないの!

ああもう、時間を無駄にしたわ……行くから

(ダッ!)

これって、一歩前進ってとこ?

ですかねぇ? ふう……

手強いー……

け……ぷ……

 

◆ ◆ ◆

 

くっ、時間をかけ過ぎた
泣き姫に逃げられたかも……

このまま逃げるかな?

どういうこと……?
参考までに聞いてあげるわ

泣き姫が呼んでいる気がする

どうしてそう思うのか、まったく分からないわ……

うーん……こちらの力を試してるみたいな事を
言ってたようなー……

GRRRRRRRR……

こうやって次々に魔物が送られてくるのが、
根拠といえば根拠じゃない?

 

◆ ◆ ◆

 

根拠がない以上、急いで泣き姫に辿り着かないと
逃げられると思っていいわね?

DDについて行きます……

素直でよろしい
無駄話は禁止よ、急いでついてきて

イェッサー……

いぇっさー……

GRRRR……!!

敵よ、さっさと片付けて

了解ー……

こ、効率化プレイだわ……

 

◆ ◆ ◆

 

…………

………………

……………………

…………………………ぷぅ↑

ダメだ、沈黙に耐えられない!

だよねー……
後悔はしてない……

じゃあ、すぐに帰ってもらえるかなぁ!?

マルタ、 【主人公】 、謝って……

許してー……

まったく、調子が狂うったらないわ
ピクニックに来てるみたいじゃない……

GRRRAAAAAAA!

あっ、魔物ですよ!

切り替えて行くぞ!

やっぱり切り替えないとダメなんじゃない!

 

◆ ◆ ◆

 

お前たちといると、無駄に疲れるわ

でも肩の力が抜けてきたよ

私は、肩の力の事なんかどうでもいいの!
真剣に泣き姫を追っているって……

ああ、ダメ……こうやってペースを乱されるんだわ

バレたよー……

疲れる……

GRRRRAAAAA!!

疲れてるところ、悪いけど……敵よ?

この空気の切り替えに、
一番体力を持って行かれてるのよ!

けぷ……

 

◆ ◆ ◆

 

おなか……いっぱい

ちょっと、この子大丈夫なの?

さすがに食べ過ぎか……

けぷ……がんばる……

この中じゃ、この子を一番頼りにしてるんだからね
分かってる?

うーん、あまり言い返せないわ……ハハ

アルジェには悪いけど、また魔物よ

…………けぷっ

 

◆ ◆ ◆

 

うぅ……

アルジェ、どうした?

すぐちかくに……いる……

泣き姫が!?

すごく……わるい子……

ふぅん……この子、やっぱり便利ね

道具みたいに言うのは止めて下さい!

 

◆ ◆ ◆

 

痛っ……?

DD?

何でもないわ……気にしないで

長く遊び過ぎかもー……
疲れが溜まってるんだよー……

放っておいてくれる?
今、逃がすわけにはいかないのよ……

あと「遊び」じゃないから……!

言葉のあやだけどー……

気を張り過ぎだよ

【主人公】 の言う通りだと思うわ
入れ込み過ぎると、失敗するわよ?

余計なお世話……

私は誰も信用しないわ……
作り物の世界も、作り物の繋がりもね……

画面の向こうで、どんな顔をしてるのか
分かったものじゃないわ……

DDさん……

今は泣き姫を追う……
邪魔をするヤツらは全て倒す……それだけよ!

 

◆ ◆ ◆

 

はぁ……
(さっきから頭がガンガンする……なんなの!?)

さっきから辛そうだね……

別に……ちょっと頭が痛いだけよ

やっぱり無理してるんじゃないの?

!!

波……いやな、波……

来る!!

ヨウヤク来タカ……欲深キ者タチ……

泣き姫――!!

モット……
ソノ欲望、願望ヲ……解キ放テ!

クッ……!?

はうっ……!

アルジェ!?

アルジェはだいじょうぶ……だけど……

そんな事より、泣き姫よ!

魔物も来るわ! 備えるわよ!!

 

◆ ◆ ◆

 

魔物は倒したよー……

はぁ……ハァ……
(何なの……マタ……アノ時みたいニ……)

頭が……熱イ……!?

己ガ願望ヲ……解キ放テ……

DD、しっかりしろ!

来ルナ……!
オマエタチガ……妹ヲ……!

えっ!?
私たちが……妹を?

ユ……リ……!!

ユリ……?

クアアアアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

また暴走しちゃったー……!?

アルちゃん……?
アルちゃんは大丈夫!?

ダメ……

そっちに行っちゃ……ダメなの……!

この前みたいなパニックにはなってないけど……
何を言いたいのか……

DDを止める!

うん……
あの人を……見つけて……!

……!

 

◆ ◆ ◆

 

ウ……私たち……放って……おい……て

(ドサッ)

気を失ったみたいです……

いくらDDに話しかけても、リアルの彼女が
どうなってるかわからないし……

泣き姫……何が目的だ!

我ハ何モ求メヌ……求メルノハ、ウヌラ……

『白銀ノ瞳』ヲ、モツ者ヨ……

我ヲ求メヨ……ヨリ苛烈ニ……!

次の話へ