.hack//New World

第六章 5話:眠れる暴れ馬

『白銀ノ瞳』ヲ、モツ者ヨ……

我ヲ求メヨ……ヨリ苛烈ニ……!

煽ってくるスタイルだー……
どうする……?

【主人公】 、今は泣き姫よりDDよ!

DDを守ろう!

はい!

DD! 目を覚まして!

………………

反応がないわ、リアルで気を失ってるのかも……

どうしてそんな事が……!?

このまま泣き姫と戦ったら、危ないわ
いくら 【主人公】 の、あの力があっても……

うう……

アルちゃんも、今は限界だと思います!

サァ……我ヲ求メヨ……!

ゲイズ・オブ・ドミネーター(G.O.D.)!

……ヌゥ!?

泣き姫がひるんだわ!

DDを連れて、退却!

ラジャー、仕方ないね……

とりあえず、 【主人公】 さん
DDさんをお願いします!

逃ゲルカ……ヨカロウ……
次ハ我ガ追ウ番カ……

 

◆ ◆ ◆

 

みんなちゃんといる?

はい、アルちゃんもいます!

泣き姫は追ってきてる?

どうだろうー……

追いかけてきてる事が分かった時は、
もう遅いんだけどね

とにかく、DDが意識を取り戻すまで
逃げましょう!

GRRRRAAAAAAA!

簡単には逃がしてくれなさそうですね……!

 

◆ ◆ ◆

 

さすがに人ひとり運びながらだと、速度が出ないわね

大丈夫、任せて!

【主人公】 さん、お願いしますね

GRAAAAAAAAAAA!!

追撃してくる気はあるみたいね!

【主人公】 さん、背負ったDDさんを
降ろす時は優しく静かにお願いしますね

 

◆ ◆ ◆

 

……けぷ……けぷ

ちょっとアルジェ、ヤバくない?

んー……いける……

我慢しちゃダメよ?

うん……でも、大丈夫……

行方不明になってる時に修行したとか……?

何の修行よ!?

わからない……

GRAAAAAAAAAAA!!

次のわるい子……来たよ……?

アルちゃんに頼るしかない……ですね

 

◆ ◆ ◆

 

わるい子、いなくなった……けぷ

うーん、けぷっていうのは変わらず続いてますね

消化がよくなったのかな……

消化……ですか

そもそも私達とは違う中身みたいだものね……

あのニンリルって人が、何か知ってそうなのよね……

そうですね、落ち着いたらまた会いに行ってみましょう
……会えるなら、ですけど

GRAAAAAAAAAAA!!

わるい子、また来るよ……けぷ

 

◆ ◆ ◆

 

ところで……
DDの角が気にならない……?

最初に泣き姫と戦った時からね

【主人公】 さんの瞳の力と、DDさんの角……
それにアルちゃん……

何がどう関係しているのか……

この角の力って、何なのかしらね?

GRRRRRRR…………

……わるい子……けぷ

 

◆ ◆ ◆

 

DDの様子はどう?
まだ目を覚まさない?

DD、朝だよ!

………………

ダメね……

長い時間意識不明が続いたら、
危ないんじゃないでしょうか……

……もうすぐ、目を覚ましそう……

え?

また魔物よ!

あ、は、はい!

 

◆ ◆ ◆

 

……うっ……私は……いったい……

落ち着いて、状況が分かる?

今……“The World”を……?
そうだ……私、泣き姫を!!

落ち着いて下さい、DDさん
あなたは、今まで気を失ってたんです……多分

気を失ってた……!?
また、あの時みたいに……

この前の時も、気を失ってたの!?

なぜ、そんな事に……

知らない……この前はその子と会った時から
頭が急に熱く、痛くなって……

その後は覚えてないわ……

GRRRRRRRR……

魔物……!?

ここは任せろ!

そう、ね……今は足手まといになりそうだわ

ジュリ あら、自虐的だわ

ふん、お手並み拝見させてもらうわ……

 

◆ ◆ ◆

 

それで……私が気を失ってる間、どうなったの?

ずっとかついで走ってた

べ、別に頼んだ訳じゃないわ
放っておいてくれても良かったのよ

悪いけど、その選択肢は誰も思いつかなかったわ
ごめんなさいね

あなた達、本当にお節介の上に、お人好しなのね……

はい、ありがとうございます♪

褒めてないわよ……で、どうするの?

どう、とは?

泣き姫からこのまま逃げるつもり?
私は、逃げるつもりなんかないけど

やる気はあるよー……
【主人公】 もそのつもりだと思うけどー……

じゃあ決まりね……
ひとつだけ、先に言っておくわ

次、私が変な事になったら放っておいて……
あなた達は戦おうが逃げようが、好きにしていいから

その時はまた、やっつけてあげる

そう?
遠慮はいらないわ

……大丈夫

アルちゃん……どうしたの?

……アルジェも、お手伝いするから

次の話へ