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第七章 1話:外からの警告

~ホーム~

 

ふぅ……やっと一息つけるわ

無事に帰ってこれたね

我が家がいちばんってやつだー……

ねむ……

あら、アルジェも眠たくなるのね?

疲れたー……私も落ちていい?

私も疲れました……色々なことがありすぎて

それじゃ今日はここで解散?

ええ、私も落ちるわ

おつかれー……

おやすみなさい……むにゃ

(ピコン♪)

「メールを受信しました」

『差出人:不明』
『件名:警告』

これは……?

『泣き姫から手を引くがいい』

『あれは、災いを招く』

 

◆ ◆ ◆

 

~ホーム~

 

あ、【主人公】さんも来ましたね

やっぱり、みんなも来てたんだね

それはそうでしょ、あんなメールが突然送られて
きたんじゃ、不安にもなるわよ

「泣き姫から手を引け」って言われてもねー……

私たちが懸賞金目当てなら、はいわかりましたって
手を引くところだけど、そうは行かないわ

DDのところにもメールが?

そうね……ちょっと話をした方がいいかも

それじゃあ、DDさんに連絡を取ってみますね
返事が来ればいいんですけど……

(ピロン♪)

メール……アルジェには来てない?

そうね、ちょっと難しいかも……(ピロン♪)

ふわ!?

あ、返事ですよ……「街の外で会おう」だそうです
待ち合わせ場所も書いてあります

ホームにくればいいのに……

私達とはある程度、距離を置いておきたいみたい
ですね……

しょうがないわね、DDが指定してきた場所に
行ってみましょ!

 

◆ ◆ ◆

 

~街外れ~

 

ぴっこーん……
DD、発見だよー……

やぁ、待った?

それほどでもないわ、今さっき来たところよ

何か、デートみたいです……ね?

笑えないんだけど……

それで用事は何?
変なメールが来たとか言ってたわよね

変なメールは来てない?

私のところには来てないけど……
どんなメール?

泣き姫から手を引け、あれは災いを招くって感じよ
差出人は不明だったわ……

心当たりはないかしら?

泣き姫から手を引け、ね
その類の脅しは聞き飽きてるけど……

GRRRRRR……

移動しながら話すわよ、いい?

わかった!

 

◆ ◆ ◆

 

この「DD」が泣き姫の情報を持っているって噂は
そこそこ広まっているみたいだけど……

あんた達にもそういう脅しが行くってことは、
かなり事情を知ってるヤツじゃないの?

例えばその子、アルジェのこととか……
【主人公】……あんたの力の事とか?

かなり限られてきそうだけど……

そうね……デスイーターのヤツらなら知ってると
考えて良いわよね

そこから漏れたのなら、どこまで漏れてるか
分からないわよ

うーん……
デスイーターじゃないと思うよー……?

どうして?

それはー……

GRRRRRR……

あの魔物を倒してから話すよー……

 

◆ ◆ ◆

 

デスデスは、私たちに泣き姫を倒させたいはず……
今もどこかで監視してるんじゃない?

泣き姫、早く出てこいー……
そして早く倒しちゃえーってさー……

一理あるね

たしかに、ネージュやゴーディンもこちらを利用
するみたいな事を言っていたわね

そう考えると、泣き姫から手を引け、とは
言わないはずですね……

だから、メールの差出人は別……
誰かは知らないけどねー……

しばらく、こうして狩りを続けて行くしか
ないんじゃない?

次のリアクションを待つんだったらね

 

◆ ◆ ◆

 

あのメールのことですけど……

内容的には、私たちに危害が及ばないように
注意してきたんじゃないでしょうか?

災いを招かないように、か……

言われてみれば、そういう解釈もありね

だとしたら、メールの差出人はいったい
誰なんでしょうか……?

よけい分からなくなったよー……

 

◆ ◆ ◆

 

話はそれだけ?
私としては、厄介事が増えただけみたいだけど

妹さんの手掛かりに繋がらない?

そうか……探る価値はあるかもしれない

(ザシュッ……キン……)

フンッ……!

あれー……?
あそこでタリオン達が狩りをしてるっぽい

それじゃ、これ以上一緒にいると面倒な事に
巻き込まれそうだから、退散するわ

何か分かったら、連絡して……じゃあ

あ、ちょっと……!?

せっかくだから、このまま一緒に狩りをしても
よかったんですけど……ね?

とりあえず、タリオンと合流

まずは目の前の魔物を狩る……
それが冒険者……

切り替えて行くわよ!

 

◆ ◆ ◆

 

【主人公】か、奇遇だな……

【主人公】?
ああ、あなたが噂の……

貴女は?

これは失礼、私はエルザーラ
あなたと同じく、傭兵団の者だ

特に役職がある訳ではないが、結果的に彼女は
傭兵団のまとめ役をしている……

そんな人がいるなんて、知らなかったわ
私はジュリ、よろしくね

シャノンです、傭兵団の一員としてはまだ新人ですので
色々教えて下さい

ども、マルタだよー……

【主人公】'です、改めてよろしく

ああ、仲間が増えるのは良いことだ

都市解放のため、出来るだけ長く参加してくれると
有難いよ

……わたし、アルジェ……

可憐な少女だな、よろしく

アルジェ、かれん……わかった……

うん?

アハハハ……あっ魔物よ、魔物!
傭兵団新人、出撃~!!

あ、ああ……まずはお手並み拝見だな

 

◆ ◆ ◆

 

なるほど、なかなかの手練れぞろいだな
これは良い戦力になりそうだ

ああ、その点に関しては反論の余地はない……

精進します

良い戦士になれるよ、君たちならば

では、このまま我々の巡回に同行してみるかね?
少々危険な狩りになるかもしれないが……

望むところよ、ね?

ええ、私は構いませんけど……

……ああ
デスイーターだね……

デスイーター……だと?

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