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第七章 3話:野心と矜持

噂をすれば、だ……
何か用かグル・カーン殿?

知れたこと、狩りに決まってるだろ
無法者デス・イーターどものなぁ?

へっへっへ……

徹底抗戦をしようとしてるってヤツ?

そう、この男がその筆頭と言う訳だ

何だ、意気地のない連中でつるんでいるのか?
せいぜい奴らに気をつけているが良い……

まぁ、そうなるまえに俺たちが奴らを潰してやるがな!

なるほど、噂通りってわけね?

だが実際、吼えるなりに腕も立つ……
それは私も認めているところだ

お前達のような腰抜けとは違う……
売られたケンカは、買ってやるのが礼儀だぜ?

まぁ、俺の方はいつでもウェルカムだ
こっちに来たくなったら、いつでも来い

歓迎してやるぜ?ハァーッハッハ!
おい、行くぞ

おぉ、狩りの続きだ!

(ザッザッ……)

もぉ~!エルザ姉、くやしくないの!?

言わせておけ、我ら傭兵団の本分は魔物の討伐だ
それを忘れるな

なるほどー……ゴタゴタしてるね……

大丈夫でしょうか……?

これもまた勉強、ということだな……

 

◆ ◆ ◆

 

元々、傭兵団には戦いが好きな者が集まっているし、
グル・カーンの下につく者も多い……仕方ないだろうな

ここにいる皆はどうなの?

私はもちろん、エルザについていくわよ?

私も、エルザ姉についていく……けど?

なんか、間があったね……

そっ、そんなことない!
……けど?

色々な意見があるのは、良い事だ……

オトナだー……

 

◆ ◆ ◆

 

でもエルザ姉が、他のヤツらから弱いとかぬるいとか
言われるのは、ちょっとイヤなんだよ……

エルザーラを慕ってるんだね

そりゃ、まぁ……って、やめろよ恥ずかしいだろ!

仲が良いんですね♪

本当の姉妹みたいでしょう?フフフ

GRRRRRAAA!

せいぜい、こいつらに怒りをぶつけるしかないよね!

 

◆ ◆ ◆

 

よーし、この調子でどんどん狩っちゃうよ!

怒りが鎮まる気配がないね

まったくだ……邪な気持ちで狩りをすると
ケガをするぞ?

心配いらないって!
あっ、次の魔物はっけーん!

まぁ、下手に溜めこむよりは良いかもしれないがな

ラハムみたいに、楽しむのが一番かもね?

 

◆ ◆ ◆

 

エルザ、今日はそろそろ撤収の時間じゃないかしら?

そうだな、街へ戻りつつ狩りを継続するか

エルザって呼ぶんだね?

エルザとは友達だからよ?

親しみやすく呼んであげた方が、他の人も
声をかけやすいでしょう?

演出込み……策士だー……

あら、そう?フフ♪

さぁ、狩りの続きを……と思ったけど、招かれざる
お客様の登場ね

…………

よーっし、あたしにお任せーっ!

 

◆ ◆ ◆

 

…………

(ザァッ……)

退けたようだな……

タリオンはエルザーラの味方?

傭兵団のあるべき姿は、エルザーラの求める方向だと
思っている……

それに従うのは傭兵団として当然だ……

タリオンの冷静な視点には、いつも助けられている
感謝している

そうね、私は絶対エルザに味方してしまうもの……

今さらだけど無口だよね

まず人の話を聞くことから始めるからだろう……

己の意見を通したければ、相手の話をよく聞かねば
始まらないからな

ぐっさぁ……!

だ、大丈夫よ、みんな多かれ少なかれ、思い当たる節が
あるわ……

辛いー……
辛すぎるー……

俺の事は別にいいだろう……客を待たせてはいけない

(ザツ……)

…………

降りかかる火の粉は、払う……

 

◆ ◆ ◆

 

伝言だ、【主人公】…………

なにっ!?

「お前達は、エサだ」……伝えたぞ……

(ザァッ……)

どういう意味だ……?

泣き姫をおびき寄せたいらしい

泣き姫か……正直、関わったことがないからな

その関係で、君たちはデスイーターに狙われている
と言っていたな

はい……傭兵団にご迷惑をおかけしていますよね?

そんな事は関係ない、元より奴らは我々にもそれ以外
にも、迷惑行為に近い行動ばかり取っているのだから

エルザが問題ない、と言っているのだから
気兼ねなく傭兵団にいて下さいね?

助かるわ、ありがと!

 

◆ ◆ ◆

 

今日は、お見苦しい所を見せてしまったかもしれない
これに懲りず、また狩りに同行してくれるだろうか?

友達に遠慮はいらない

まぁ、よかったわねエルザ
友達がたくさん増えたみたいね?

はい、よろしくお願いしますね♪

GRRRRRRR……

本日、最後の仕上げー……

狩り収めだよー!

 

◆ ◆ ◆

 

さて、街に戻ったしそろそろお開きかしらね?

ああ、良い狩りだったな
それではまた会おう、【主人公】

デスイーターに気をつけて

所詮PKだ、もし会ったら返り討ちにするだけのこと
しかし、忠告には感謝するよ

じゃあね~、【主人公】たち

俺も退散しよう……さらばだ

じゃあ、私もそろそろ帰るとするわね

ん……私も落ちるかー……

はい、では今日は解散ですね
私はアルちゃんをホームに送ってきます

みんな、バイバイ……

じゃあ、またね

それでは【主人公】さん、お疲れ様です

またね~

ふぅ……

リアルでもそうだけど、ゲームでの人付き合いも
色々と大変なのねぇ……

(ピコン♪)

「メールを受信しました」

あら、メール……?

『差出人:不明』
『件名:警告』

あぁ……また?

『泣き姫から手を引くのだ』

『大切なものを失う前に』

なに、これ……?

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