~都内私立女子高前~
(ブウォン、ウォン……キキィッ!)
朱璃さん、到着しましたよ |
梢さん、今朝は車で送ってもらって有難う |
いいえ……朱璃さんが遅刻しないようにお手伝いする |
もし寝坊などで遅刻して、朱璃さんが罰を受けるような |
う……気をつけるわ |
そうしていただけると助かります…… |
ええ、いってきます |
(ガチャ……バタン)
(ヴォオン!ウォン!ウオオオォォン……)
……よく分からないけど、きっとスゴイ運転なのよね |
(ピコン♪)
「新着メッセージあり」 |
あら、【主人公】かしら…… |
『泣き姫と戦えお前達をいつでも監視している』 |
……ああ、そう |
まったく、順番に脅してくるなんて良い趣味してるわ |
加宮(かみや)さん……? |
うわっ!? |
驚かして、ごめんなさい! |
ええ、ちょっとストーカーみたいな人に狙われてるの |
ええっ!? |
ふふっ、冗談よ |
ゲームのお話ですか、驚きましたわ…… |
あら、分かった? |
ええ……でもまだちょっと怒ってませんか? |
そう?気のせいだと思うわよ♪ |
◆ ◆ ◆
~ホーム~
と、いうわけで……例のメッセージ、 |
怒りを通り越して笑いに…… |
だって、こんなのもう笑うしかないじゃない? |
その笑いが怖いです…… |
こうなったら、私たちで泣き姫を倒して懸賞金とやらを |
そうよ……そうすればこんな茶番もオシマイよね! |
たしかに一理ある |
【主人公】さんまで話に乗せられて…… |
この前は何とか勝てたかもしれませんけど、 |
だって何もしなかったら、あんなメッセージだけじゃ |
それは……そうですね |
だったら本気で泣き姫を探してあげようっていうのよ |
まぁ、本当に倒せるかどうか分からないけど |
全く歯が立たないって訳じゃないと思うけど? |
よし、やるか! |
さすが【主人公】、話が早いわね♪ |
はう~鼻息が荒いジュリには逆らえないよー…… |
はぁ……泣き姫に関係する事でしたら、DDさんにも |
とてもわるいコ……さがす? |
アルちゃんはお留守番してて欲しいけど…… |
アルジェの力が必要かも…… |
手伝ってくれる? |
だいじょうぶ……アルジェもつよくなりたい…… |
~荒野~
それで、なぜ急に泣き姫探しを積極的にやる事に? |
Katarooのメッセージが…… |
泣き姫と戦うように催促をされてるって……? |
多分、あのゴーディンって奴だと思うわ |
たしかにあのゴーディンならやりそうだわね |
という訳で、まんまと乗せられてるのは悔しいけど…… |
泣き姫を倒そう! |
わかった、そういう事なら協力するわ |
◆ ◆ ◆
それで、例の催促メッセージが届いたのは、誰なの? |
私とシャノン、マルタの3人ね |
まだうちには届いてない…… |
単に順番がまだ回って来てないだけじゃない? |
アルジェにも、とどいてないよ…… |
あなたはKatarooを使えないでしょ!? |
たぶん……使えないと思います |
むぅ~…… |
そういえばあんた達、その前に別のメールも |
ええ……でもそのメールには「泣き姫から手を引け」と |
じゃあ、そのメールの送り主はまた別人ってこと? |
なぜだろう…… |
さぁね、類は友を呼ぶってこと? |
GRRRRAAA!!
魔物に絡まれる方がマシだよねー…… |
◆ ◆ ◆
ちょっと、何かすごい勢いでこっちに向かってくるコが |
もうっ……なんでこんな……! |
ラハム!? |
えっ!【主人公】!? |
ラハムさん、そんなに急いでどうされたんですか? |
ちょっと今、エルザ姉とグル・カーンが揉めてて…… |
エルザーラとグル・カーンが!? |
そう!そうなんだよ! |
とにかく案内して! |
うん、わかった! |
私はこれ以上、面倒に巻き込まれたくないんだけど…… |
◆ ◆ ◆
あそこだよ、【主人公】! |
傭兵団の団員がかなり集まってる? |
あれ、ほとんどがグル・カーンの仲間なんだよ! |
よくもこれだけの者たちを巻き込んでくれたものだな |
ほざけ、ここにいるのは皆、お前について行くのは |
勘違いしているようだが、私は皆について来いなどと |
元より都市解放傭兵団は、軍ではない |
あるのは封印の魔物を狩る者たちの拠り所たる役割 |
自由というのならば、このまま俺が同志を連れて |
フッ……同志とはまた大きく出たわね |
グル・カーン、お前が出て行くのは構わん |
だがその結果、デスイーターとの対立が激化し、 |
そいつは俺の責任じゃないな……元から傭兵団を |
落ち着いて |
【主人公】か、なぜここに? |
さっき、そこで偶然会ったんだよ |
ラハムの様子がちょっと尋常じゃなさそうだったから |
デスイーターの人たちは、泣き姫の懸賞金を狙ってる |
傭兵団の皆さんが、懸賞金を狙う上で邪魔になっている |
もちろん、そうだろうさ |
だがなぁ、今はただそれだけの仲良しゴッコの集まりに |
俺ならこの“TheWorld”で一番強力な一団を作れる! |
ふん、語るに堕ちたな |
今、この“TheWorld”にはまだ |
だったら、今が好機ってやつじゃねぇか? |
お前らが解放した都市は、いつかこのグル・カーン様が |
勝手なことを…… |
じゃあな腰抜けども……デスイーターは俺たちが |
ハッハッハァ! |
グル・カーン! |
(ザザッ!)
おっと、デスイーターにおびえる腰抜けどもには |
稽古なら間に合ってる! |
◆ ◆ ◆
グル・カーン……以前より血の気が多い輩と思っては |
デスイーターの連中を舐めてる |
あなた方はデスイーターとはとても因縁が深そうですし |
それを踏まえての評価なのであれば、やはりそうなの |
おっと、よそ見をしてるヒマはないぜっ! |
◆ ◆ ◆
大口を叩く割には、全く歯応えがないじゃないの |
こんなのでよくデスイーターを潰すとか、街を仕切る |
痛い目をみないと分からない |
そうね……本当に死ぬわけでもないし |
暴走して気を失う訳でもなし……ね |
貴方の場合は特殊すぎるでしょ…… |
けっこうやるぞ、こいつら…… |
おい、何を手こずっていやがる! |
お、おう! |
◆ ◆ ◆
くそっ、何で倒せねぇんだ! |
みんな、つよいんだよ……! |
アルジェ、そばを離れないでね |
うん…… |
可憐な少女の応援を受けては、負けるわけには |
あら、エルザが負けるところなんて |
くっ……弱そうなあのガキから倒せ! |
ふわ……? |
怒らせたいみたいだね! |
あんた達、ここにいる全員を本気にさせたわよ! |
◆ ◆ ◆
ぐわっ……どいつも強すぎる!? |
腰抜けなんて言ったのは誰よ! |
心が折れる音がする…… |
ち、ちくしょおぉ…… |
まぁ、腰抜けって言ってたのはグル・カーン |
グル・カーンって言いにくい…… |
で、まだやるの? |
そ、そろそろ本気を出させてもらうぜ! |
是非、そう願いたいわね……やれやれだわ |
◆ ◆ ◆
チッ、まったく不甲斐ない奴らだぜ…… |
おい、お前……【主人公】といったか |
笑うところかな? |
笑いたければ笑えばいい……だがなぁ、弱い奴らを |
ペテン師の才能もあるとは知らなかったぞ…… |
いい加減あきらめたらどうだ? |
いい気になるなよエルザーラ…… |
……お望みとあらば |
往生際が悪いわね、もう! |
彼女はかなりの手練れだと聞いたことがありますわ |
これで諦めさせる |
◆ ◆ ◆
ほう、予想以上の戦闘力…… |
ますます、気に入ったぜぇ…… |
全く心に響かないよ |
へへっ……俺は手に入れると決めたら、絶対に |
目標を高く設定するのは良いが、高すぎて |
エルザ、今はこの男に何を言っても届かないわ |
まだ俺についてくる奴はいくらでもいる…… |
(ブゥン……)
ログアウトしたみたいね |
そのようだ…… |
……私の事? |
厄介事には巻き込まれたくないもの…… |
そうだな、だが今日の出会いの印に紹介だけは |
都市解放傭兵団のエルザーラだ |
おなじく、イシュミル…… |
おなじく、ラハムだよ! |
わざわざ、どうも…… |
DDよ、忘れてくれて構わないわ |
DDか……今日は有難う |
別に……通りすがっただけよ |
見ての通り素直じゃないんだ |
そういうのは止めなさいってば、もう! |
傭兵団の連中が内部分裂で大騒ぎしてるのは |
【主人公】たちまで首を突っ込みすぎ |
忠告があまり効いてないようだな…… |