.hack//New World

第九章 1話:暴走の業腕

バリゾーさんが……

何かに……

変わった……の?

バリゾー!!

ヴォオアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

こちらの声も聞こえてない!?

理性を失ってて、それどころじゃないみたいよ!

とても……わるい子……
元にもどさなきゃ……ダメ!

でも、どうすれば……

ヴォオアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

!?

(ゴッ!!)

グアッ!!

わわ、一撃でデスイーターの皆さんが
4、5人は吹っ飛んでったよー……

グゥウウウ……アアアアアアアアアッ!!!

(ダッ!)

グワアアッ!?

デスイーターたちを蹴散らしながら、走っていくわよ!

追いかけよう!

どうやって止めればいいのか分からないけど、
とにかく追いかけるしかないわね

~某所・研究施設~

 

フォームチェンジを確認、イメージ固定に関しては
現在不安定な状況

観察対象の感情レベル、引き続き上昇中

Sコードの反応で、あそこまでのフォームチェンジを
見せた事例は初めてかしら?

あの少女は別の事例ですが……

そうね、Sコードを除外すれば、
もしかするとあの娘が最初かもしれないけど……

アルジェ……

あれは泣き姫以上に、重要なサンプルになるわ
確実に押さえなければ、ね……フフ

 

◆ ◆ ◆

 

バリゾーが向かってる方向……
もしかして、街の方じゃない?

それは、かなりマズイ

街で暴れ始めたら、手に負えないわよ!

街に辿り着く前に、どうにかして止めないと
いけないって事ですね……!

 

◆ ◆ ◆

 

ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

(ゴオォッ!)

あんな姿になるなんて……
バリゾーさんに何が起きたのかしら

力を求めていたような……

力を求めた結果、あんな姿に?

そんなイベントもアイテムも聞いたことない……

 

……兄さん、例の目標を発見したよ
見た目は想像と違ったけど……

……うん、このままだと街の方に行きそうだし、
僕は、先回りしておくから

それじゃあ、後で……

さぁ……迷える子羊を救いに行こうかな

 

◆ ◆ ◆

 

はうぅ~
ちょっとマズいかも……?

どうした?

バリバリ君が暴れてるのが、ちょっと噂に
なってるっぽいよー……

まさか、野次馬が集まってくるんじゃない
でしょうねぇ!?

このままだと、街に辿り着く前に被害が増えるかも
しれませんよ!?

 

◆ ◆ ◆

 

ヴォオオオッ!
ヴォオオオオオオオオオオオオオオオオオッ!!

(ゴオォッ!)

どうしてバリゾーさんの噂が
広まってしまったんでしょうか……

あのバリゾーは目立つしね

図体がデカい上に、妙な怪物まで呼び出すなんて、
いくら何でも目立ちすぎよ

 

……ああ兄さん、こちらも確認しました
さすがにアレが元冒険者とは、誰も思わないかと

ええ……作戦通り、弟君と合流しますよ
アレは3人そろってないと危険だと判断しました

では、後ほど……

……とは言ったものの、3人でも簡単にアレを
滅する事ができるかどうか……

まぁ、この武器次第ですかね?

 

◆ ◆ ◆

 

また、よけいな奴らが来たみたいよ

(ザザッ)

お前達には、あれから手を引いてもらおうか

はぁ?

出来ない相談だ

相談ではない、警告だ……!

だったら、止めてみなさい!

 

◆ ◆ ◆

 

まったくもう……
またデスイーターと追いかけっこ!?

無視しよう

あいつらに何を言われようが、私たちがやるべき事を
やるだけよね、【主人公】?

手を引けと言ってるのが、理解できないようだな……

違います!
理解した上で、お断りしてるんです!

 

◆ ◆ ◆

 

ヴォオオオッ!
ガアアアアアアアアアアアアアアアアアッ!!

(ドドド……)

邪魔が入ったせいで、ちょっと離されたみたいです!

やるだけの事はやろう!

そもそも、野次馬がやられたところで自己責任だと
思うけどね

どうした、先ほどの威勢はどこにいった?

うるさいわね!
邪魔よ!

 

◆ ◆ ◆

 

ヴォアアアアアアアアアアアアァッ!!

(ドドド……)

何とか追跡できてるけど、やっぱりアイツは
街に向かってるみたいね

街には行かせない!

あんなのが街で暴れたら、大変よ……
絶対に食い止めないと!

被害を最小限に食い止められるように、
野次馬たちにも頑張ってもらうしかないかもね

まったくだよ……

 

こちらでも目標を確認した
にわかに信じがたいが、やるしかないだろうな

それに例の【主人公】、だったか?
その仲間と一緒に目標を追走しているようだな

とにかく異形な敵が、不浄なるものであれば、
我々「永滅の戒」の名にかけて、滅するのみだ……!

次の話へ