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第九章 6話:晒し出す恐怖

(ピコン♪)

「新着メッセージあり」

『【主人公】、お疲れ!』

『そっちは大丈夫?私はさすがに疲れたわ……』

こっちはもう大丈夫

『そう、良かったわ』

『時間が出来たらホームで会いましょ?』

『それじゃ、また後で!』

>LOG IN......SUCCESS!

『Welcome to The World』

 

~ホーム~

 

【主人公】、おかえり

お疲れ様です、【主人公】さん♪

【主人公】だ……へへ

おつ、だよ~……

どーも……
お邪魔してるわよ

あぁ、DDはここに来たの初めて?

そうね……ちょっと落ち着かないわ

やっと来てもらえて嬉しいです♪

バカね、別に特別な事じゃないでしょ……
……で、バリゾーはまだなの?

バリゾーがいつ来るか分からないし、
私たちで何か、先に出来ること無いかしら?

バリゾーが飲んだ薬の出所が気になるわ
情報屋に聞いた、とか言ってたわよね?

メルツィアさんですよね
話を聞くなら皆で行かなくても良いですよね?

私が動くと、騒ぎが大きくなりそうね……
ここで待機していようかしら

それが良いわね、少なめの人数で動きましょ?

アルジェもDDとお留守番だね

うん……わかった……

まぁ、そうなるわね……わかったわ

それでは、お留守番をお願いします♪

 

◆ ◆ ◆

 

さて、メルツィアがどこにいるかよね?

前と同じところにいるとは限らない

そうですね、慎重そうな方でしたし

情報を集めるなら、人の集まる酒場でしょー……

……で、あんた達は何者?

姉さん達の噂を聞いて、ぜひ弟子にしてもらおうと……

悪い気はしない……フフフー……

じゃあ……!

断る!

そんな!?

だったら、俺たちの腕前を見てくれよ!
それから判断してくれ!

 

◆ ◆ ◆

 

くうぅ……修行して出直しだ!

あ、弟子は取ってないから

ちくしょーっ!

(ダッ!)

酒場に行くのにも一苦労だよー……

 

◆ ◆ ◆

 

~酒場~

 

あっ、いらっしゃい!
ゆっくりしていってくださいね

はぁ……癒される……

今、忙しいんですけどぉ……

【主人公】、モリーちゃんの仕事を
邪魔しないの!

やあ、久しぶりだな【主人公】
それにみんなも

あら、ミルマースじゃない
また待ち人来らず?

そんなところだ……
そっちはなかなか忙しそうだな

噂は色々と聞いてるぞ?
あの「泣き姫」とやりあったとか……

シーッ!

えっ……?
今あの人、泣き姫って言わなかった?

たしかに……どこかで見たような気が……

おっと、騒がれそうだな……すまない

 

(ざわ……ざわ……)

 

ちょっとざわつき始めましたよ……?

マズイな……ちょっと店を出よう

またどうぞー!

 

~酒場の外~

 

ねぇ、キミちょっと良いかな?

やっぱり【主人公】じゃん!
ちょっと話、聞かせてよ……

面倒だから、逃げるー……

あっ、逃げるなー!

 

◆ ◆ ◆

 

なんとか、振り切ったか……
迷惑をかけたみたいだな、すまない

いや、仕方ないよ

せっかく酒場に来たのに何もせずに出てしまったが、
本当は何か別の用事があったんじゃないか?

ええ、ちょっと人探しをね……

待った、この連中は何か関係あるのかい?

(ザザッ……)

…………

デスイーターの刺客だ

…………フッ

なるほど、こいつらが噂のPK集団というわけか
ならば丁度いい、俺も手伝おう

巻き込んで悪いねー……

はは、俺は強いやつと戦うために旅をしている!
PKとやらの腕を見たいだけさ!

 

◆ ◆ ◆

 

ふっ、少々物足りないかな

有難う、ミルマース

ついでに戦わせてもらっただけだ、気にするな
それよりも、人探しをしていたんじゃないのか?

ええ、メルツィアっていう情報屋なんだけど……

情報屋か……いや、俺は役に立てそうもない……
が、あれもPK集団の仲間なのか?

おーい!
オレを置いて行くなバカヤロー!

えっ!?バリゾーさん?

まったく、そんなに急ぐ必要はないでしょうに……

むぅ~……

あら、DDにアルジェまで……
バリゾーはもう大丈夫なの?

おぉ、メシ食ったからな

そうかお仲間だったか、それじゃ俺は行くよ
また相棒を探しに行かないと……またな!

それじゃまた!

知り合い?

ええ、ちょっとね

バリゾーさんが来て頂けたのなら、いっしょに
メルツィアさんを探しましょうか?

それよりも、さっきから街の様子がなんだか妙なのよ
私も少し嫌な気分だし……

むぅ……

この通り、アルジェも不機嫌っぽいわ……

(ザザッ)

……見つけたわ……

こいつらのせい……でもないかも

【主人公】の左目が……
また少し光ってるよ……!

嫌な予感しかしないわね……!

 

◆ ◆ ◆

 

情報屋を探してる場合じゃなさそうね……

バリゾーは何ともない?

あぁ?誰に向かって言ってんだ?
さっきから力がみなぎってしょうがねぇんだ

メシ食ったからか?なんてな、へっへっへ!

……ちょっと普通じゃないかも……

とても……わるいコ……

(とてとて……)

アルちゃん!?

(ザッ……!)

おっ……?

……楽しそうね、お嬢ちゃん……フフ♪

ちょっと、あんた達!
状況が分かってないみたいね!!

 

◆ ◆ ◆

 

こっち……

(とてとて……)

アルジェ、待って!

アルちゃんは、私がしっかり見てますから!

今アルジェを独りにしたら、マズイわ!
シャノン、お願い!

おい、どこへ行くつもりだ……?

どきなさいっ!

 

◆ ◆ ◆

 

こいつら、どういうつもり!?

泣き姫がいるかもしれないって言うのに
邪魔するなんて!

おせえぞ、てめぇら!
オレは先に行くぜえぇ!

(ダッ!)

まさか暴走しそうなのか!?

街中で暴走したら、マズイーよぉー……!!

あら、あのボーヤはどこに行ったの?
フフフ……

まさか狙いは……!

さぁ、どうかしらね!

 

◆ ◆ ◆

 

~中央広場~

 

あ、みなさん来ましたね!

………………

(ざわ……ざわ……)

なぜか広場に人が一杯いるわ……何で!?

きっと呼び出されたのよ……知らず知らずに

まさか……こんな街の広場に堂々と出てくるとはね!

(ゴオッ!)

…………

泣き姫!!

空に浮いてる……
あ、あれが……泣き姫……!?

い、いやよ……なんだか怖い……
体が震えて……動けない……!

(ざわざわ……)

サァ……欲深キモノヨ……
「チカラ」ヲ欲スルモノヨ……

解放スルガイイ……!

誰のことだ……!?

ウォオオオオオオオオオオオオオオオオアアアアッ!!

己ノ「チカラ」ヲ、知ラシメルガイイ……!

クッ、泣き姫はいい!
あの異形の姿になった男を確保しろ!

えっ!デスイーターの人たちが、
バリゾーさんを捕まえようとしてます!

このままじゃ泣き姫にも近づけない……
あのバリゾーをどうにかしないと!

バリゾーを鎮めるぞ!

 

◆ ◆ ◆

 

グアアアアアアアアアアアアアッ……!!

(ズズゥン……)

泣き姫は!?

余裕な顔して浮いてるわ……あいつ!

見事ナモノジャ……
褒美ヲ与エヨウカノゥ……?

グッ……目が燃えるように熱い!?

泣き姫の目も【主人公】と同じように
光ってるよ……まさか、これ……

(ざわ……ざわ……)

泣き姫が……俺を見てる……

私を……見てる……

「あぁ……なんて冷たい……瞳……ダ……」

(ドサッ……ドサッ)

なに……?
次々に広場の冒険者が倒れてるわよ!?

分からない……
泣き姫に見つめられただけで、ここまで……!?

サァ……ドウスル……?

やらせない!

うん……
わるいコは……ぜったいに、ダメ……!!

ゲイズ・オブ・ドミネーター(G.O.D.)!!

【主人公】!!

アルちゃん!!

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