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第九章 7話:拡散される秘密

なに……?
次々に広場の冒険者が倒れてるわよ!?

分からない……
泣き姫に見つめられただけで、ここまで……!?

サァ……ドウスル……?

やらせない!

うん……
わるいコは……ぜったいに、ダメ……!!

ゲイズ・オブ・ドミネーター(G.O.D.)!!

【主人公】!!

アルちゃーーーん!!

(キュィイイイイイイイイイイイイイ……)

オォ……ソノ瞳……確信シタリ……
ヤハリ、我ガ瞳ノ写シモノ……

最モ欲ブカキ支配者ハ、貴様カモシレヌ……

(ドクン!)

クッ……マタ……カ……

……ワタシ……ハ……

なに……この泣き姫の雰囲気は……
さっきまでと違う……?

シカト……刻ンダ……

(スゥ……)

あ……消えて行く……

逃げた……?

逃げる直前、泣き姫の雰囲気が少し変わったわ
どこか情緒不安定な感じだった……

バリゾーさんは、まだ戻らないです……
チャーリスさん達もいないし、どうすれば……

大丈夫……
アルジェ、やってみる……

ウグァアアァ……

わるい「チカラ」……ダメ、だよ……

(パチッ……)

ああっ……
一瞬で元に戻りました!

けぷっ……まず……

ハハ……
デタラメね、この子の力って

 

◆ ◆ ◆

 

……オレ……あれ?

(ざわ……ざわ……)

さっき……あいつ、泣き姫を倒したのか……?

やっぱり、あいつだ……【主人公】……
たしか、【主人公】ってヤツだ!

それにあの女の子……
さっき魔物になった人間を、元に戻したんじゃない?

誰だ……?誰なんだ……?

(ざわ……ざわ……)

マズイ雰囲気だよ……?

アルちゃん、こっちに来て……

うん……

逃げるわよ……!
バリゾー、立って走って!!

えっ、あっ、おい!?
逃げるって、どこに逃げるんだよ!

街から離れて、騒ぎが収まったら
【主人公】のホームへ!いいわね!

了解!

わ、わかった!
くそっ、なんだってんだ今日はよぉ!!

 

◆ ◆ ◆

 

ふぅ……DDとバリゾーは逃げられたかしら?

バリゾーはちょっと心配

そ、そうですね……
意識を取り戻したばかりでしたし……

 

◆ ◆ ◆

 

あら、エルザーラといつもの傭兵団の二人が
いるわよ?

みなさん、お元気でしたか?

何か街が大変だったらしいね
……他人事でもないけど

【主人公】!
他の者たちも無事のようだな

今のところ無事だけど……

何か、含みがありそうですね……
例の噂の事でしょうか?

やっぱり聞いてたのね……

噂は聞いてます、泣き姫が街に出現し、
多くの冒険者の前に現れたそうですね

それに呼応するように、魔物化した
冒険者もいたとか……

大体合ってるけど、補足が必要……

その泣き姫を追い返したのは、特殊な力を使った
【主人公】で……

魔物化した冒険者を元に戻したのは、
このアルジェの特殊な力……

今この二人、街ではちょっとした話題の人で
追っかけられて困ってるとこー……

なるほど……それは難儀なことだな

 

◆ ◆ ◆

 

ところで、グル・カーンを見なかっただろうか?

奴が集めた者たちから、グル・カーンの様子が
少しおかしい、という話を聞いたのでね

この前会った

そうか、それでどうだった?

会った時はいつも通り嫌なヤツだったけど、
様子が変わったとしたら、その後でしょうね

ゴーディン……デスイーターのリーダーと会って、
力技が効かない相手だって知ったからじゃない?

デスイーターのリーダーと対峙したのか……

少し怯えているように見えた、というのも
あながち間違いではなさそうだ

ゴーディンは特殊な力で、リアルの情報を盗める
みたいだよ……

その場でグル・カーンのリアルネームを言い当てた
みたいだったしー……

なんと……そんなオカルトじみたバカな事が……
あり得ないだろう……

 

◆ ◆ ◆

 

それを聞いて、ますますグル・カーンには妙な野心を
抱くのは諦めろと言わねばならないと思ったよ

話を聞いてくれるなら良いけど

話であれば、これまで何度もしてますが……
状況が状況なので、聞いてくれるかもしれませんね

(ザッ……!)

あら……彼は一緒じゃないのね

デスイーターか……彼とは誰のことだ?
グル・カーンの行方なら我々は知らないが

あぁ……そんなのはどうでも良いわぁ
もっとたくましくなる方の彼よ……!

 

◆ ◆ ◆

 

やっぱり狙いはバリゾーだったのね

異形の姿に変わるのが目当てか?

それと、あの死なない魔物を従える力って、
泣き姫とそっくりじゃない?

泣き姫のサンプルとして確保しようと
してるなら分かる……

バリゾーさんを独りにしたのはまずかったかも……

デスイーターが襲ってくるうちは、
まだ捕まってないということじゃない……?

あ、そうね!

(ザザッ……!)

…………

よかった、まだ大丈夫みたいです!

……な、なんだ?……

 

◆ ◆ ◆

 

街の外でも襲ってくるようなら、街にいても
同じかもしれないわね

バリゾーが心配だ

バリゾーさんに助けてくれるお友達がいれば
良いんですけど……

なんか居なさそう……

(ザッ……)

…………

こっちが何人か引きつけておけば、二人が
逃げやすくなるかもしれないしね!

 

◆ ◆ ◆

 

追手の方は少し途切れたみたいですね

注意しながら街に戻ろう

ええ、【主人公】の事も
注目されちゃってるし、もっと気をつけましょ

困った事があれば、傭兵団を頼って欲しい
我々は仲間なのだからな

ありがとう、エルザーラ

 

~路地裏~

 

はぁ……何とか、まいたみてぇだな

そろそろ、あいつらのホームに向かうか……

(タッタッタ……)

(スッ……)

……フフ

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