消えル……俺……が…… |
イガイ……ニ……ツマランモノダ……ナァ…… |
(シュウウウゥ……)
……サァ……見ツケタゾ、我ガ半身ヨ |
このような所にまで現れるようになるとは…… |
他の場所で暴れられるよりはいい |
なるほど、あえて餌となるか |
あら、泣き姫なんかに【主人公】は |
そうです、【主人公】さんは大事な |
モテ期だね……うらやましいけど |
あんた達、ふざけてる場合じゃ……待って |
何ダ……これハ……我ガ瞳カラ溢レル……これハ…… |
あなた……わるい子じゃ、ない…… |
えっ……? |
……ェエエイ……我ハ、我ダ……! |
アルジェを守る! |
【主人公】さん! |
はぅ…… |
ク……何故、動カヌ……! |
何かが、泣き姫に起きてる…… |
サ……ヤ…… |
!? |
ワタシヲ……ミツ……ケテ…… |
百合!! |
泣き姫が百合さん!? |
そんな……いや、まさかそこに!? |
クゥ……オノレ……! |
(シュウウゥゥゥ……)
あっ消える……逃げる気だよー!? |
待って!! |
ネットスラムを緊急隔離! |
ラジャー、でありんす!! |
(ゴウンッ!)
(シュウウウウウゥゥン……)
消え、た…… |
今、ネットスラムを他のエリアから隔離しようと |
今なら認知外空間の泣き姫を追い立て、再びこの |
どうするかね? |
やるに決まってる |
【主人公】……ええ |
そうね、急ぎましょ! |
はい、今なら手が届くかもしれません! |
チャンスは絶対、モノにする…… |
あんた達……ありがとう |
お礼なら百合さんと一緒に |
ええ、必ず……! |
茜たちには認知外空間のモニターをしてもらう…… |
アルジェも、みんなと行きたい…… |
そうか、好きにするがいい…… |
うん……! |
では認知外空間へのゲートを開くぞ |
行くぞ! |
ええ! |
◆ ◆ ◆
~認知外空間~
DD、君の妹についての仮説と問題点を |
問題……? |
確認だが、君の妹は行方不明になっている、 |
数か月になるわ……なぜ? |
残念だが、君の妹は「リアルデジタライズ」に類似する |
えっ!? |
生身で電脳空間に入るとかいうアレ? |
そう、先ほど説明した通りだ |
まさか、百合がそうなってるっていうこと……!? |
そうだ、しかも泣き姫と同化している可能性がある |
そんな…… |
ちょっと待って、敵よ! |
GRRRRRRR……
しかもあれ、泣き姫が放ったヤツかも…… |
◆ ◆ ◆
この魔物、いつもの泣き姫が放った魔物と違って、 |
泣き姫の力が弱まっている? |
DDの妹の意識が表に出てきた事に起因するかも |
百合……! |
とは言え、決して予断は許さない状況だ |
数か月という長い期間、別の存在と同一化した状態で |
通常であれば「認知外依存症」が発症し、自我を保てず |
そんな! |
諦めない! |
……ええ、私も諦めないわ |
これまでの事例から考察される状況を伝えたまでだ |
今回そうなっていないのは、何か特別な力が働いている |
私達は最善を尽くすだけってことね! |
はい! |
泣き姫ちゃんの悪あがきを、 |
◆ ◆ ◆
どうして百合がこの世界に取り込まれたりしたのか…… |
百合さんがそう願った? |
百合が? |
いや、ここしばらく百合と私はお互いほとんど話も |
現実から消えたいっていう願望が無かった、とは |
DDさん、あとで百合さんといっぱい話さないと |
そうね……話すわ、たくさん |
GRRRR……
敵発見だよー……! |
ワタシヲ……ミツケテ |
魔物の先に泣き姫がいる! |
【主人公】! |
ええ、わかったわ! |
◆ ◆ ◆
いたわDD、【主人公】! |
ヌウゥ…… |
来たぞ、泣き姫! |
オノレ……! |
百合!私、沙夜だよ! |
知ラヌ……貴様……ナド……! |
サァ、行クノジャ…… |
GRRRRRAAA……!
往生際が悪いよ……! |
認知外空間を封じて、ネットスラムへ泣き姫を追い出す |
君達、彼女らをひきつけておきたまえ |
は、はい!頑張ります! |
◆ ◆ ◆
エエィ……ウヌラ……! |
さぁ、行きたまえ泣き姫 |
クッ……!? |
~ネットスラム~
ネットスラムをネットワークより隔離 |
ラジャー、でありんす!! |
もう逃がさない! |
ヌゥ……声ガ……届カヌ…… |
これでこのネットスラムから出る事は出来ない |
ヤリオル……ガ、及バヌ! |
強がってられるのも、今のうちよ! |
私は絶対に、百合を取り戻す! |
ユ……リ…… |
ユ、リ……サ……ヤ……ナキ……ひめ…… |
これは「認知外依存症」の症状か……? |
百合!? |
ナラバ……奪ウガ良イ…… |
◆ ◆ ◆
オオオオオオオオオオオオオォォォ……! |
ナキ……ヒメ……ユ、リ…… |
アルジェ、今だ! |
わるいコは……ダメ、だよ! |
!! |
(ドサッ……)
うぅ…… |
百合……!? |
う……沙夜……? |
百合……! |
泣き姫と百合さんが別々になりました! |
わるいコ……まだ、いる…… |
無駄ジャ……我ハ消エヌ…… |
我ヲ求メシ者ガアル限リ……幾度デモ甦ル……! |
何度だって倒してやる! |
そうよ、【主人公】と私達があんたを |
だめ……絶対に、甦らせてはいけないの! |
百合!? |
泣き姫は、自滅願望を心に呼び起こさせる力を |
自分の意志に関係なく、自ら命を絶たせるほどの力…… |
なぜ百合がそんなことを知ってるの!? |
泣き姫を生み出したのは私だから…… |
最初は噂のつもりだった…… |
君が流した噂が「カタリスト・システム」で真実味を |
君はよほど「カタリスト」としての高い素質を |
あの泣き姫の力を生み出したのも、私……だから私は、 |
泣き姫を…… |
じゃあ、どうすれば……! |
わるいコは……アルジェが、ゆるさない…… |
アルジェは世界を守るために、生まれた…… |
アルジェ、世界も、みんなも、守る……! |
アルジェ、何を!? |
コノ、小娘……我ヲ取リ込ム気カ…… |
……善キ覚悟ジャ…… |
(シュオオオオオオオオオオオオオオオオオオオオ!)
アルちゃん! |
…………け……ぷ |
アルジェ……馬鹿な真似を! |
アルジェ、大丈夫か!? |
大丈夫な訳が無い! |
今のアルジェに、この泣き姫を浄化する力など無い…… |
そ、そんな……! |
まして、世界中から泣き姫の記憶を消去すること |
手があるの!? |
その可能性がある、という程度の問題だ |
DD…… |
君が授かった「銀の角」には、イリーガルなデータを |
じゃあ、またこれをアルジェに…… |
いや、もはやその角はDDと同化している |
それに、それをアルジェに使ったとしても、アルジェの |
そこで【主人公】…… |
君が「王の瞳」の力を引き出せば、泣き姫と同じ程の |
そして、君自身も恐らく「カタリスト」としての高い |
そして、百合…… |
君は泣き姫を世界に実体化させるほどの力を持った |
三人の力で、泣き姫の記憶を全て消し去るサブリミナル |
泣き姫を求める者も存在しなくなり、再び泣き姫が |
かもしれないって…… |
荒唐無稽なことを言っていると、自覚している |
それに、そのサブリミナルコードを精製するには |
……うん、わかった |
えっ……ちょっと待って下さい…… |
アルちゃんが必要って、どういう意味ですか……? |
泣き姫のコア情報を内部に持つ、アルジェ自身が |
待って…… |
【主人公】…… |
DD、百合、君達はアルジェと接触した状態で |
アルジェはどうなるの……? |
分からない……最悪の場合、泣き姫の消滅と同じく |
イヤです!! |
他に方法はないの……!? |
これが現状、最も可能性として高いだろうという策だ |
……どちらにせよ、このままではアルジェは破壊する |
であれば、それが最も有効なアルジェの……使い道だ |
そんな……あなたがアルジェを生み出したんでしょ!? |
ニンリルさんが……この人が何の感情も躊躇もなく、 |
こんな事にならないよう、この人はあなた達に忠告した |
ごめんなさい…… |
それは分かってます…… |
あのね…… |
アルジェ、色んなヒトとお話ししたかったの…… |
【主人公】がアルジェを見つけてくれた |
それから色んなヒトとお話して、歌って、 |
あり……がと…… |
でも……今はね、みんなを守ることが |
でも、アルジェのことは皆で守るから |
アルちゃん……絶対に、またお話するから! |
うん…… |
ええ、そうよ……アルジェにはまだ色々と |
へへ……わかった…… |
そういう時の返事は…… |
いぇっさー…… |
アルジェ……あなたは作り物の人形なんかじゃない |
ううん…… |
百合……あんたに紹介するわ |
知ってるよ……泣き姫の中から見てた…… |
わたし、アルジェ……お友だち、だよ |
アルジェ…… |
お前を生み出して、良かった…… |
へへ…… |
(ジジッ……)
泣き姫のデータがオーバーフローし始めた…… |
【主人公】…… |
みんな、アルジェと手を繋いで…… |
アルジェちゃん……手を握ってもらえる? |
ヘヘ…… |
私も……ねぇ、みんなも一緒に握ってくれるんでしょ? |
はい! |
なんだろ……本当に手を握ってるみたいな気がする |
うん……小さな手だね |
茜、ネットスラムの隔離を解除…… |
……承知 |
(キィイイイ……)
【主人公】……頼む |
「ゲイズ・オブ・ドミネーター(G.O.D.)!」 |
バイバイ…… |
アルちゃーーーーん! |
(キィイイイイイイイイイイイイイイイ……ン)
アルジェ……? |
アルジェは……!? |
……消えた |
(……………………)
(パサッ)
何か落ちた…… |
これ……アルジェにあげた服なんだよ…… |
アルちゃん…… |
ううっ……アルちゃあん…… |