.hack//New World

第八章 3話:成長する騎士たち

~駅前~

 

くっそ~、夜シフトの時間延長はキッツイぜ……
まったくあの店長はよぉ~……

とっとと帰って寝るか…………

(ピッ)

「新着メッセージなし」

(ピッ……)

…………いや、まてよ

それより“TheWorld”でウサばらしすっか……
もっと鍛えねぇといけねぇしな……!

強くなって、もう裏切る気すらしなくなるように
してやるぜ……へっへっへ

~ホーム~

 

あれから変なメッセージやメールは来てない?

ええ、あの泣き姫と戦えっていうメッセージの後から
今のところ来てないですね

同じくー……

泣き姫を探しているように見えたかな?

騎士団と一緒に狩りしたこと?
まぁ、そうかもね

泣き姫の探し方なんて、私たち知りませんし
普通に狩りをするしかないですから

とにかく狩りをしておけば黙っててくれるかも
しれないし、気にしないでいいんじゃない?

今日も騎士団の方々がご一緒されるんですよね?

アルジェも、つよくなる……

お姫様役をよろしく

お姫さま、つよい……?

ある意味、強いよー……
命令一つで首が飛ばせる……

ふわっ……!?

マルタ……それはアウトです!

 

◆ ◆ ◆

 

~森~

 

今日の戦場は森にいたしましょうぞ
何事も基本が大事ゆえ!

ごもっとも!

逆に言えば当たり障りない選択ではある
安全第一……騎士道に相応しいかは分からないが

森をなめてかかると……死ぬよ?

確かに、ごもっともだ
早速の指摘、痛み入る……クッ

GRRRRR……

反省は戦いの結果で見せましょう、レオノーラ
その方が無駄がない

承知……!

 

◆ ◆ ◆

 

そういえば、先日【主人公】どの達を
襲ってきた男がおりましたな

たしか泣き姫の情報をいただく、とか何とか……

しつこい男で困ってる

泣き姫に関しては、流言飛語が飛び交っており、
巷の風紀を乱す要因となっているようですな

琥珀の騎士団は、この世界で正しく冒険する者達の
助けになるように風紀を正していきたいと考えている

冒険以外の目的のために邪な戦いを行う者を正して
いくことが我らの正義です

出来ればそのような無駄な戦いなど、無い方がいいの
ですけど

確かにそうだね

もし、邪な者たちから戦いを強いられるようであれば
我らがご助力いたしますぞ!

あまり巻き込みたくはないけど、気持ちは頂いておくわ

 

◆ ◆ ◆

 

泣き姫……というより、懸賞金を狙ってる人たちの
執着心がスゴイわね

……最近はゲームだけじゃなく、リアルの方まで
妙な事になっているようで……

これ以上は遊びで済まされない

なんと……それは確かに我らの力だけでは
及ばない問題の可能性もありますな

剣を振るう身ではありますが、斬れないものが
もっとも怖いですね……人の心などは

 

◆ ◆ ◆

 

む……?
今度は魔物でなく、他の冒険者のようですな

いやな予感がする

一見普通の冒険者のようではあるが……

デスイーターの方々ではなさそうですけど……

おい、あいつらって……

ああ、例の泣き姫と戦ったっていう……

嫌な予感しかしないよー……

あんたら、泣き姫と戦ったっていうヤツらだよな……?

ちょっと話を聞かせてくれよ……ていうか、一緒に
狩りをしないか?

断る

それって懸賞金を独り占めしたいからだろ!
ヒデェやつらだな!

言いがかりにも程があるね……

【主人公】たちが泣き姫と関わったと
してもそなたらには関係なかろう

妙な噂など忘れて、素直に冒険を楽しむがいいぞ?
この世界には多くの冒険がそなた達を待っておるのだ!

ふん、懸賞金は本当の現金が貰えるって話だ
それ以上の楽しみがあるかよ!

泣き姫は強いヤツを狙ってるって噂もある……
お前らを倒せばチャンスが回ってくるかもな!

うつけものですね……
正義の名の下に斬り伏せてやります!

それで諦めてもらおう!

 

◆ ◆ ◆

 

くそっ、強いぞこいつら!

もしかして、不正行為とかしてるんじゃねぇか……?

負け惜しみか?

負け犬の遠吠えか……私以上に無様だな

レオノーラさん、自ら堕ちて行くスタイルは
止めた方が良いと思います……

ちくしょう……
懸賞金の独り占めなんてさせねぇからな!

この辺の冒険者にお前たちの情報を流したからな……
懸賞金を狙ってる奴らはすぐに集まるぜ!

(ダダダッ……)

無様な敗者な上に、卑怯者とは……
剣を交える価値もありませんでしたね

タカハ殿、あのような輩の話をしている暇はない
ようですぞ

(ガシャ、ガシャ)

早速集まってきたみたいね……

移動しながら対応しよう!

ラジャーだよ……

 

◆ ◆ ◆

 

はっはっは!なかなか敵が多いようですな!
金が絡むと、人はこうも貪欲になれるとは!

アルジェを彼らから守りたい

へへ……

なるほど、不埒な輩から姫をお守りする……
まさに騎士道ですな!

我ら以上に騎士の志を持っておられる……
素晴らしい!

(ガシャ、ガシャッ!)

金の亡者のおかわりが来るよー……

 

◆ ◆ ◆

 

結局、私たちの事情に巻き込んじゃったわね……

とんでもない、我々は元よりあのような者たちを
鎮めたいと考えているのだ

もっと巻き込んでもらって構わないとも

一緒に強くならないとね

ああ、これからもお互いに頼り頼られる関係を
続けたいと思う……よろしく頼む

ええ、頑張りましょ!

(ガシャ、ガシャッ!)

無粋な者たちが、まだいるようですね

アルジェもがんばる……!

姫は我々から離れぬよう、頑張って下され!

らじゃ~♪

 

◆ ◆ ◆

 

もう襲ってくる気配は消えたようですな……ハハ
今日は我々が勝利を得られた様ですぞ!

ありがとう、騎士どの

感謝するのは我々の方であろうとも
これほど団結して戦えたのは初めての事と思うぞ

であろう、レオノーラ殿、タカハ殿?

たしかに、その通りだ
感謝するぞ、【主人公】

はい、我々にとって何よりの修行でしたね

そう言って頂ければ助かります……

そうね、敵もそれなりにいるけど……
理解してくれる仲間もちゃんといるのは有難いわ

みんな、おともだち……へへ

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