~洞窟~
……コホン…… |
…………………… |
空気が重いよ、 【主人公】 …… |
……残念だったね、DD |
……そうね |
まぁ、次があるわよ! |
ええ……もちろんよ |
無様よね…… |
そんなことは…… |
そうですよ、私たちこうして無事でしたし…… |
泣き姫に会えば、何かが変わると思ってたけど…… |
妹さんのこと……? |
…………そう、ね |
いいわ、少し話してあげる…… |
◆ ◆ ◆
私には妹がいるの……双子のね |
ユリちゃん、だっけ |
私、言ってたかしら…… |
その百合が……今、行方不明なの |
ええっ! |
それは……あの、何て言えばいいのか…… |
まぁ、反応に困るわよね…… |
待って…… |
GRRRR……
まだ魔物が残ってるみたい…… |
泣き姫の置き土産か…… |
まったく、厄介なものを残してくれたわね! |
……わるい子、おそうじ…… |
◆ ◆ ◆
さて……どこまで話せばいいかしらね |
ゆっくりで良いから |
ええ…… |
百合と私は、ネットでトラブルにあってね |
いわゆる炎上ってヤツ…… |
酷い誹謗中傷だったわ…… |
それから家に引きこもってしまったわ…… |
そんなことがあったんですか…… |
◆ ◆ ◆
それから私は百合とあまり話さなくなったわ…… |
同じ家の中に住んでたの? |
そうよ…… |
それから百合に根も葉もない噂が立ったりしたけど、 |
ひどい姉よね…… |
DD…… |
◆ ◆ ◆
そんなある日、突然百合がいなくなった…… |
変わった様子はなかった? |
あったかもしれない…… |
そんなの……ムリでしょ |
◆ ◆ ◆
百合の部屋に手掛かりがないかと思って、 |
もしかしてそのPCに…… |
そう……百合のPCには、 |
この「DD」は、百合が使っていたキャラなの |
そう、だったんですか…… |
◆ ◆ ◆
百合はこの「DD」というキャラで、泣き姫の情報を |
「DD」の中が百合でなく、私だと知らずに話しかけて |
それで君は泣き姫を追っている? |
そういう事……百合が追っていた泣き姫を追えば、 |
思ってたより、大変な事情があったのね…… |
驚きだよ…… |
あの……有難うございます |
協力させてくれないか? |
そんなつもりで話したわけじゃ…… |
アルジェも……お姉ちゃんを、助ける…… |
あんたまで、そんな事を言うの? |
……フッ、考えておくわ |
◆ ◆ ◆
ここまでくれば、もう泣き姫の魔物は…… |
……けぷ |
まだ残ってるってことかな? |
うん……わるい子、ちょっとだけいる |
それでも減ってはいるってことね |
泣き姫が出現するたびに、特別な魔物が |
倒せない魔物がいるところ、泣き姫あり……か |
◆ ◆ ◆
これでどうかしら……まだ魔物はいそう? |
……わるい子、もういない……かも |
アルジェ、お疲れ様 |
おなか……いっぱい…… |
どこに入っていくのか……不思議だわ |
……けぷ |
それ返事のつもりかしら…… |
そ、そうですよね…… |
アルジェ、わるい子……? |
けぷってしたくなったら、分からないように |
まだ作り物の人形に見える? |
……うるさいわね、いちいち言わないといけない? |
はいはい、分かったわよ♪ |
ふふふ♪ |
は……早く、洞窟から出るわよ! |